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法人向けリモートアクセスVPNの選び方|方式の違い・比較と「脱VPN」ゼロトラスト・SASEへの移行【中小企業向け】

リモートアクセスVPNの仕組みイメージ

テレワークや外出先から社内システムへ安全につなぐ「リモートアクセスVPN」。
結論から言うと、中小企業がいま選ぶなら、機器を持たずに導入できるクラウドVPN(VPNaaS)か、より安全性の高いゼロトラスト(ZTNA/SASE)が現実的な選択肢です。

従来型のVPN機器は「一度つなぐと社内ネットワーク全体に入れてしまう」構造のため、近年はランサムウェアの侵入口として狙われるケースが増えています。
この記事では、リモートアクセスVPNの方式の違い・費用相場・選び方を中小企業向けにわかりやすく整理し、話題の「脱VPN」ゼロトラストへの移行判断までを解説します。

リモートアクセスVPNとは?拠点間VPNとは何が違う?

VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)は、インターネット上に暗号化された「専用トンネル」を作り、外部から社内ネットワークへ安全に接続する仕組みです。
大きく2種類あり、目的がまったく異なります。

リモートアクセスVPNは、在宅勤務者や外出中の社員の「端末1台ずつ」を社内につなぐためのもの。
一方拠点間(サイト間)VPNは、本社と支社などの「ネットワーク同士」を常時つなぐためのものです。
テレワークで「自宅から社内のファイルサーバーや業務システムに入りたい」という用途は、前者のリモートアクセスVPNにあたります。この記事は主にこちらを扱います。

▶ 関連記事:テレワーク時のWi-Fi接続に潜む危険と安全な使い方

リモートアクセスVPNにはどんな種類がある?

ひとくちにリモートアクセスと言っても、接続の仕組みは大きく3つに分かれます。
それぞれ導入のしやすさ・費用・安全性が異なるため、まず全体像をつかみましょう。

リモートアクセス3方式の比較図(従来型VPN・クラウドVPN・ゼロトラスト)
項目 従来型VPN機器
(SSL-VPN/IPsec)
クラウドVPN
(VPNaaS)
ゼロトラスト
(ZTNA/SASE)
接続の仕組み 社内のVPN機器に接続し社内ネットワーク全体に入る クラウド上のVPN基盤を経由して接続 認証と端末状態を確認し許可されたアプリだけに接続
導入形態 自社にVPN機器・回線を設置 アプリを入れるだけ(機器不要) クラウド+端末アプリ(機器不要)
初期費用の目安 数万〜数十万円(機器) ほぼ0円 ほぼ0円〜
月額の目安 機器の保守費が中心 1人あたり300〜1,500円 1人あたり数百〜1,500円前後
侵入時のリスク 入られると社内全体へ横展開されやすい 経路は絞れるが基本構造は同様 許可アプリ以外へ入れず横展開を防ぎやすい
向いている会社 既存機器を使い続けたい まず手軽に始めたい 安全性重視・脱VPNを進めたい

SSL-VPNとIPsec-VPNの違いは?

従来型VPN機器の接続方式には、Webブラウザや専用アプリで手軽に使えるSSL-VPNと、拠点間接続でよく使われるIPsec-VPNがあります。
テレワークの端末接続では、導入や端末設定がしやすいSSL-VPNが一般的です。ただしどちらも「社内網に入る」構造は同じで、後述する侵入リスクは共通します。

なぜ今「脱VPN」ゼロトラスト・SASEへの移行が進んでいる?

従来型VPNは長く使われてきましたが、テレワークの普及とサイバー攻撃の高度化で、次の3つの構造的な弱点が問題視されています。

① 一度入ると社内全体に横展開されやすい
VPNは「社内ネットワークにつなぐ」仕組みのため、IDとパスワードが盗まれて侵入されると、そこを足がかりに社内の他のサーバーへ次々と移動(ラテラルムーブメント)されやすく、ランサムウェア被害が拡大しがちです。

② VPN機器の脆弱性が攻撃の入口になる
VPN機器の未修正の脆弱性を突く攻撃は近年の代表的な侵入経路のひとつです。
機器のアップデートを放置していると、そこが弱点になります。

③ 利用者が増えると遅くなる・コストがかさむ
全通信をいったん社内へ集める構造のため、テレワーク人数が増えると通信が集中し、速度低下や機器増強コストが発生します。

そこで広がっているのがゼロトラストの考え方です。
「社内・社外を問わず、接続のたびに本人と端末を確認し、必要なアプリだけに最小限つなぐ」という発想で、これをリモートアクセスに応用したのがZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)、通信全体をクラウドで束ねて提供するのがSASE(サシー)です。
VPNのように社内網全体を開放しないため、万一侵入されても被害範囲を最小に抑えられます。

▶ 関連記事:「ゼロトラスト」って何?中小企業でも実践できる考え方と最初の一歩

リモートアクセスVPNの費用相場はいくら?

提供形態によって費用の考え方が大きく変わります。
機器を持つ従来型は初期費用がかかり、クラウド型は初期費用がほぼ不要で月額課金になるのが一般的な相場感です。

提供形態 初期費用の目安 月額の目安
従来型SSL-VPN機器(自社設置) 数万〜数十万円 機器の保守費が中心
クラウドVPN(VPNaaS) 0円〜 1人あたり300〜1,500円
ゼロトラスト・SASE型 0円〜 1人あたり数百〜1,500円前後
拠点間IP-VPN(参考) 数万〜十数万円 月1万円前後〜(拠点数で増加)

上記はあくまで一般的な目安です。
実際の金額は利用人数・機能・契約年数で変わるため、正確な費用は見積りで確認してください。

▶ 関連記事:SASE(サシー)とは?クラウド時代の新しいVPN「VPN as a Service」を徹底解説

中小企業はどの方式を選べばいい?

迷ったときは、次の5つのポイントで判断すると失敗しにくくなります。

① 何につなぎたいか(用途)
社内のファイルサーバーや業務システムに広く入りたいのか、特定のクラウド/アプリだけで足りるのかを整理します。用途が絞れるなら、安全なゼロトラスト型が第一候補です。

② 利用人数と拠点数
テレワーク人数が多い・今後増える見込みなら、機器の増強が不要なクラウド型が有利です。

③ 安全性のレベル
横展開の防止や端末状態のチェックまで求めるなら、VPNよりZTNA/SASEが適しています。

④ 導入・運用の手間
情シス担当が少ない会社は、機器の保守が不要なクラウド型やマネージド型が現実的です。

⑤ 多要素認証(MFA)との連携
ID・パスワードだけの接続は危険です。
スマホ認証などの多要素認証と組み合わせられるかを必ず確認しましょう。

▶ 関連記事:ネットワークセキュリティ徹底比較|UTM・SASE・ZTNA・SWG・FWaaSの違いとおすすめ製品

製品で選ぶなら?アーデントのおすすめ

アーデントでは、従来型VPNの弱点を解消できる「脱VPN」型のゼロトラスト/SASE製品をおすすめしています。
いずれもデジタル化・AI導入補助金の活用対象になり得るため、コストを抑えて導入できます。

Check Point Harmony SASEは、世界最大級のセキュリティベンダーが提供するクラウド型のゼロトラストアクセス基盤です。
「VPN as a Service」として社外から社内アプリへ安全に接続でき、端末の状態(OSやウイルス対策の状況など)を確認したうえで、許可されたアプリだけに最小限つなぐ仕組みです。1ユーザーで最大5台まで利用でき、Microsoft 365やGoogle Workspaceの認証とも連携します。

Check Point Harmony SASE の詳細を見る

Webセキュリティ Plusは、上記Harmony SASEをベースに、日本語サポート・簡易サイバー保険・駆けつけサポートを付けたアーデント提供のサービスです。
「まずは手厚いサポート付きでゼロトラストを始めたい」という中小企業に向いています。

Webセキュリティ Plus の詳細を見る

導入・乗り換えの費用は補助金で抑えられる?

リモートアクセス環境の刷新やゼロトラストへの移行は、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の活用でコストを抑えられる場合があります。
対象となるツールや補助率・上限額は年度の公募要領によって変わるため、申請前に最新の公募要領を確認し、専門家に相談することをおすすめします。

アーデントは補助金を活用したセキュリティ導入の支援を得意としています。
「自社のVPNを見直したいが、費用と申請が不安」という場合も、要件確認から申請サポートまで一貫してご相談いただけます。

導入前に注意すべき点は?

方式を切り替える前に、次の点を押さえておくと失敗を防げます。

・「VPNを入れれば安全」ではない:VPNはあくまで通信の暗号化と接続の仕組みで、端末のウイルス対策やID管理は別途必要です。
・無料VPNは業務利用に不向き:安全性・速度・サポートの面でリスクがあり、法人利用は避けるのが無難です。
・既存の機器や回線との相性:乗り換え時は既存環境との整合や移行手順を事前に確認しましょう。
・運用体制:導入後の設定変更やログ確認を誰が担うかを決めておくと安心です。

よくある質問(Q&A)

Q. リモートアクセスVPNとゼロトラスト、どちらを選べばいい?

A. これから新しく整えるなら、安全性の高いゼロトラスト(ZTNA/SASE)が第一候補です。
すでにVPN機器があり当面使い続けたい場合は、多要素認証の追加や機器の最新化で当座のリスクを下げつつ、段階的に移行するのが現実的です。

Q. クラウドVPN(VPNaaS)とゼロトラストは何が違う?

A. クラウドVPNは「VPNをクラウドで手軽に使えるようにしたもの」で、社内網につなぐ発想は従来型と同じです。
ゼロトラストは「社内網に入れず、許可したアプリだけに最小限つなぐ」発想で、侵入時の被害を抑えやすい点が異なります。

Q. VPNの導入にどのくらい費用がかかる?

A. クラウド型なら初期費用ほぼ0円・1人あたり月300〜1,500円程度が目安です。
従来型の機器設置は数万〜数十万円の初期費用がかかります。正確な金額は人数や機能により変わるため見積りで確認してください。

Q. VPNだけでランサムウェアは防げる?

A. 防げません。
むしろ古いVPN機器や使い回しパスワードは侵入口になり得ます。VPN/ゼロトラストに加え、エンドポイント対策・多要素認証・バックアップを組み合わせることが重要です。

Q. 情シス担当がいなくても導入できる?

A. できます。
機器の保守が不要なクラウド型や、サポート付きのマネージドサービスを選べば、少人数の体制でも運用しやすくなります。アーデントの導入・運用サポートもご利用ください。

まとめ

リモートアクセスVPNは、テレワークに欠かせない仕組みですが、従来型は「入られると社内全体に広がる」構造的な弱点があります。
中小企業がこれから選ぶなら、機器不要で手軽なクラウドVPN、または安全性の高いゼロトラスト(ZTNA/SASE)が現実的です。
費用はクラウド型で1人あたり月300〜1,500円程度が目安で、デジタル化・AI導入補助金で抑えられる可能性もあります。
「自社のVPNを見直したい」「脱VPNを検討したい」という場合は、用途と人数を整理したうえで、アーデントまでお気軽にご相談ください。

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