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セキュリティソフトの比較は何を基準に選ぶ?第三者評価機関(AV-TEST・AV-Comparatives・MITRE・Gartner)と「検知率99%」の正しい読み方【法人向け】

「検知率99.9%」「ランキング第1位」——セキュリティソフトの広告や比較サイトでよく見かける言葉ですが、この数字だけを見て自社のセキュリティソフトを選ぶのは危険です。数字の出どころや条件を知らないまま選ぶと、「思ったより誤検知が多くて業務が止まる」「実際の攻撃には弱かった」といった失敗につながりかねません。

結論からお伝えすると、判断のよりどころになるのはAV-TEST・AV-Comparatives・SE Labs・MITRE ATT&CK Evaluations・Gartner といった「第三者評価機関」の結果です。ただし、これらも「1つの数字・1回のテスト」ではなく、「複数の機関・複数回で一貫して高いか」「誤検知は少ないか」「実際の攻撃で防げるか」という視点で読むことが大切です。

本記事では、中小企業の経営者・情シス担当の方に向けて、第三者評価機関の種類と違い、「検知率」という数字の正しい読み方、そして法人が本当に見るべき評価軸までを、できるだけ平易に整理します。

そもそも第三者評価機関とは?なぜ参考になる?

第三者評価機関とは、セキュリティソフトを作っているベンダー自身ではなく、独立した専門のテスト機関が、各社の製品を同じ条件で検証し、防御力や誤検知の少なさ、動作の軽さなどを公表する組織です。ベンダーの「自社調べ」ではなく中立の立場で比較するため、客観的な判断材料になります。

代表的な機関を整理すると、次のようになります。個人向け中心の機関と、法人向け(EDR/XDRなど)を評価する機関があり、それぞれ見ている観点が異なります。

評価機関 拠点 主な対象 主に見ている観点
AV-TEST ドイツ 個人/法人(Windows・Mac・Android) 防御力・動作の軽さ・誤検知の少なさを点数化。定期的にテストを実施
AV-Comparatives オーストリア 個人/法人 実環境に近い防御テスト・マルウェア検出・誤検知・動作負荷。法人向けテストも定期実施
SE Labs イギリス 個人/法人 実際の攻撃の流れ(攻撃チェーン)を再現して総合的な防御精度を評価
Virus Bulletin(VB100) イギリス 主にウイルス対策製品 1998年から続く歴史あるテスト。既知マルウェアの検出と誤検知で合否を判定
MITRE ATT&CK Evaluations アメリカ 法人向けEDR/XDR 実際の攻撃者の手口を再現し、検知・可視化の範囲を評価(順位や合否は付けない)
Gartner マジック・クアドラント アメリカ 法人向けEPP(製品カテゴリ) 「実行力」×「将来性(ビジョン)」の2軸で市場のベンダーを4象限に分類
ITreview Grid 日本 法人向けITツール全般 国内の実利用者レビューをもとに「Leader」等を評価。国内での満足度の参考

ポイントは、「検知率を試す機関」と「実際の攻撃でどこまで防げるか・検知後にどう対応できるかを見る機関」があるということです。1つの機関の1つの数字だけでは、製品の実力の一面しか見えません。

「検知率」の数字はどう読む?よくある5つの落とし穴

「検知率99.9%」という数字は一見わかりやすいですが、次のような落とし穴があります。数字をうのみにせず、背景を確認することが大切です。

テスト条件が機関ごとに違う……使うマルウェア検体・期間・環境が機関によって異なるため、A社の「99.9%」とB社の「99.8%」を単純に比べても意味がありません。
ベンダーが有利な数字だけを切り出すことがある……「特定のテストで99.9%」「当社調べ」など、都合のよい結果だけを広告に使っている場合があります。
「検知率」と「実際の防御率」は別物……既知のウイルスを見つける検知率が高くても、未知の攻撃やメール経由の巧妙な攻撃(実環境テスト)に強いとは限りません。
誤検知(過検知)を無視している……検知率が高くても、正常なファイルやシステムを誤ってブロックすると、業務が止まったり運用負荷が増えたりします。
個人向けの結果を法人製品の根拠にしている……個人向けソフトのテスト結果が、そのまま法人向け製品(管理機能付き)の実力を保証するわけではありません。

大切なのは、「1回のテストの1つの数字」ではなく、「複数の機関で・複数回にわたって・安定して高評価か」という一貫性です。単発で1位になった製品より、毎回上位に入り続けている製品のほうが信頼できます。

▶ 関連記事:法人向けエンドポイント(ウイルス対策)徹底比較|ESET vs ウイルスバスター vs Sophos

MITRE・Gartner・ITreviewは何を見る指標?(法人向けの評価)

個人向けの検知率テストだけでなく、法人向けでは次の3つの評価もよく参照されます。それぞれ「見ているもの」が違うので、意味を知っておくと広告に惑わされにくくなります。

MITRE ATT&CK Evaluations(マイター)
実際のサイバー攻撃者が使う手口(TTP)を再現し、EDR/XDR製品が攻撃のどの段階を「検知・可視化」できるかを評価します。特徴は、MITRE自身は順位や合否・単一のスコアを付けないこと。そのため「MITREでNo.1」という表現は、各ベンダーが自社に有利な形で結果を解釈して発信しているケースが多く、注意が必要です。攻撃を「見える化」できる範囲の広さを見る指標だと理解しましょう。

Gartner マジック・クアドラント(EPP)
調査会社ガートナーが、法人向けエンドポイント保護(EPP)の主要ベンダーを「実行力」と「将来性(ビジョンの完全性)」の2軸で評価し、Leaders(リーダー)・Challengers・Visionaries・Niche Players の4象限に分類したものです。個々の検知率ではなく、製品・企業としての総合力や将来性の目安になります。

ITreview Grid(アイティレビュー)
日本国内の実際の利用者レビューをもとに「Leader」「High Performer」などを評価する国内の指標です。海外テストでは見えにくい、国内企業での使いやすさ・サポート満足度を知る手がかりになります。

法人が本当に見るべき評価軸は?(検知率以外の6つ)

ここまでを踏まえると、法人がセキュリティソフトを選ぶときに見るべきなのは「検知率」という1つの数字だけではないことがわかります。次の6つの軸で総合的に判断しましょう。

見るべき軸 なぜ重要か どこで確認できるか
複数機関・複数回での一貫性 単発の1位ではなく、安定して高評価かどうかが実力を表す AV-TEST/AV-Comparatives の過去の履歴
誤検知(過検知)の少なさ 正常な業務を止めない・運用の手間を増やさないために重要 AV-Comparatives の誤検知テスト、AV-TEST の使いやすさ評価
実環境・実攻撃での防御力 未知の攻撃やメール経由の巧妙な攻撃に強いか SE Labs、AV-Comparatives の実環境テスト、MITRE
管理機能・ログ/レポート 複数台をまとめて管理し、検知状況を把握できるか(法人特有) 製品資料・体験版・デモ
EDR/XDR/MDRの有無 侵入されても被害を広げない「検知後の対応」ができるか Gartner、MITRE、各ベンダー資料
国内サポート・日本語対応 導入後に困ったとき、日本語で迅速に相談できるか ITreview、国内の導入実績

とくに中小企業では、専任のセキュリティ担当を置きにくいため、「誤検知の少なさ」「管理のしやすさ」「国内サポート」が、検知率と同じくらい——場合によってはそれ以上に——重要になります。

▶ 関連記事:EDR徹底比較|CrowdStrike vs SentinelOne vs Sophos

▶ 関連記事:MDRサービス徹底比較|検知後の対応まで任せる運用の選び方

アーデント取扱のセキュリティソフトは第三者評価でどう評価されている?

株式会社アーデントが取り扱う主なエンドポイントセキュリティ製品の、第三者評価での位置づけを整理しました。いずれも「1回だけ1位」ではなく、複数の機関・年度で安定して高い評価を得ている製品です(評価は時期により変わるため、最新は各機関の公表結果でご確認ください)。

項目 ESET PROTECT トレンドマイクロ(Trend Vision One) Sophos(Endpoint)
第三者評価での位置づけ AV-Comparatives/AV-TEST で長年にわたり高評価の常連 Gartner マジック・クアドラント(EPP)でリーダーの常連(同社発表で21回連続) Gartner でリーダー評価、MITRE 2025でも好成績、利用者評価も高い
特徴 誤検知が少なく動作が軽い。中小企業でも導入しやすい 国内シェアが大きく、EDR/XDRまで統合。国内サポートも手厚い EDR/MDRまで一元管理でき、検知後の対応まで任せやすい
こんな企業に まず軽さと使いやすさを重視したい企業 国内実績・サポート重視で総合的に守りたい企業 検知後の対応(EDR/MDR)まで含めて任せたい企業
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なお、製品によっては「AIで検知率99%」といった数字を掲げているものもあります(たとえば LANSCOPE サイバープロテクション Aurora Protect など)。こうした数字も、「どの条件でのどのテストの結果か」を確認したうえで、他の第三者評価や誤検知・サポートとあわせて総合的に判断すると、より納得感のある選定ができます。

評価の高いソフトを「安く」導入するには?(補助金の活用)

第三者評価で高評価の製品は、無料ソフトに比べれば当然コストがかかります。しかし、デジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金)などを活用すれば、導入費用の負担を大きく抑えられる可能性があります。

対象となるツールや補助率・上限額は年度の公募要領によって変わり、申請できる事業者・時期にも条件があります。具体的な対象可否や補助率は、最新の公募要領の確認と専門家への相談が必要です。アーデントは、補助金を活用したコスト削減とセキュリティ導入をワンストップでご支援しています。

▶ 関連記事:法人向けセキュリティソフトの料金・月額相場はいくら?費用の内訳と補助金で抑える方法

自社に合うセキュリティソフトの選び方5ステップ

最後に、第三者評価を上手に活用しながら、自社に合う製品を選ぶ流れを5ステップで整理します。

守る対象を洗い出す……PC・サーバー・スマホ・メール・クラウドなど、何を守りたいかを先に決めます。
第三者評価を複数機関で確認する……AV-TEST/AV-Comparatives などで、単発でなく安定して高評価かを見ます。
誤検知と実攻撃への防御力を見る……誤検知が少なく、実環境テスト(SE Labs/MITRE等)でも強いかを確認します。
管理機能・EDR・サポートを確認する……法人として運用しやすいか、検知後の対応や国内サポートがあるかを見ます。
補助金でコストを最適化し、相談する……補助金の活用可否を確認し、迷ったら専門家に相談して失敗を避けます。

▶ 関連記事:エンドポイントセキュリティの費用はいくら?EPP・EDR・MDRの料金相場と補助金で抑える方法

第三者評価・検知率に関するよくある質問(Q&A)

Q. 検知率が一番高いソフトを選べば安心ですか?

A. 必ずしもそうとは言えません。検知率はテスト条件によって変わり、ベンダーが有利な数字を掲げている場合もあります。誤検知の少なさ、実際の攻撃への防御力、管理機能やサポートまで含めて、複数の第三者評価で安定して高いかを見て総合的に判断することをおすすめします。

Q. 第三者評価機関はどれを一番参考にすべきですか?

A. 「1つに絞る」より「複数を組み合わせる」のが基本です。個人向けの検知力はAV-TEST/AV-Comparatives、実攻撃への防御はSE Labs/MITRE、製品の総合力はGartner、国内での使い勝手はITreview、というように、目的に応じて見る機関を使い分けると精度が上がります。

Q. 「MITREで1位」という広告は信じていいですか?

A. 注意が必要です。MITRE ATT&CK Evaluations は、MITRE自身が順位や合否を付けていません。各ベンダーが自社に有利な形で結果を解釈して発信しているため、「1位」という表現は参考程度にとどめ、実際にどの攻撃段階を検知・可視化できたかという中身を確認しましょう。

Q. 無料のセキュリティソフトでも評価が高ければ十分ですか?

A. 法人利用では推奨できません。無料ソフトは個人・家庭利用向けの規約であることが多く、複数台の一元管理・ログ・サポート・EDRといった法人に必要な機能が不足しがちです。第三者評価の対象も法人向け製品とは異なる場合があるため、業務では法人向け製品を選ぶのが安全です。

Q. 評価の高いソフトは高額になりがちですが、補助金は使えますか?

A. 要件を満たせば、デジタル化・AI導入補助金などの対象になる場合があります。対象ツールや補助率は年度の公募要領で変わるため、最新情報の確認と専門家への相談をおすすめします。アーデントでは補助金活用を含めたご提案が可能です。

まとめ|「1つの数字」ではなく「複数機関の一貫性」で選ぶ

セキュリティソフト選びで大切なのは、「検知率99.9%」や「ランキング1位」といった1つの数字・1回の結果に飛びつかないことです。
AV-TEST・AV-Comparatives・SE Labs・MITRE・Gartner・ITreview といった第三者評価機関には、それぞれ見ている観点があります。
「複数の機関で・複数回にわたって・安定して高評価か」「誤検知は少ないか」「実際の攻撃で防げるか」という視点で読み解くことが、失敗しない選び方の第一歩です。
さらに法人では、管理のしやすさ・EDR/XDRの有無・国内サポートといった運用面と、補助金を活用したコスト最適化まで含めて判断することが大切です。
アーデントは、第三者評価にもとづく製品選びから、補助金を活用したコスト削減、導入・運用まで、中小企業のセキュリティ対策をワンストップでご支援します。まずはお気軽にご相談ください。

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