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MDRサービス徹底比較|CrowdStrike Falcon Complete vs Sophos MDR vs SentinelOne Vigilance

MDRの全体像

「EDRは入れたけれど、アラートを誰も見ていない」——中堅・中小企業の現場で頻繁に聞く声です。

ランサムウェア・標的型攻撃が高度化し、侵入から暗号化までが数十分で完了するケースもある中、『24時間体制で監視・調査・対応する仕組み』がなければ、EDR本来の検知力は活かせません。そこで急速に普及しているのがMDR(Managed Detection and Response)サービスです。

本記事では、世界的に高い評価を得ているMDR代表3サービス「CrowdStrike Falcon Complete」「Sophos MDR」「SentinelOne SOC」を、対応範囲・SLA・コスト・運用負荷で徹底比較し、自社に最適なMDRを選ぶための判断軸を解説します。

そもそもMDRとは|EDRとの違い、3つの対応モデル

SOCの常時監視

MDR(Managed Detection and Response)は、EDR/XDRなどのセキュリティ製品をベンダー側のSOC(Security Operations Center)が24時間365日運用代行するマネージドサービスです。

EDRとMDRの責任範囲の違い

項目 EDR単体 EDR + MDR
脅威検知 製品が自動検知 製品検知+ベンダーSOCの脅威ハンティング
アラート対応 自社で対応(要専任SOC) ベンダーSOCがトリアージ・対応
対応時間 自社の対応体制次第 24時間365日
封じ込め 自社が判断・実行 ベンダーSOCが端末隔離等を実行
調査・報告 自社で実施 ベンダー側がフォレンジック調査・報告書提出
復旧支援 自社/別契約の専門業者 サービス内容により含まれる場合あり

▶ 関連記事:EDR徹底比較|CrowdStrike vs SentinelOne vs Sophos Intercept X|中小企業に最適なのは?

 

MDRの3つの対応モデル(重要な差別化軸)

MDRサービスは、ベンダーがどこまで対応するかで大きく3層に分かれます。

  • ① 監視・通知型:検知して顧客に通知。封じ込め・対応は顧客自身が行う
  • ② フルレスポンス型:通知に加え、端末隔離・プロセス停止・侵害アカウント無効化までベンダーが実行
  • ③ フルレスポンス+復旧支援+補償型:上記に加え、侵害発生時の復旧支援・場合により金銭補償までセット

今回比較する3サービスは、いずれも基本構成は②フルレスポンス型に位置し、上位プランで③に近づく構造になっています。

3サービスの概要

ここからは、各MDRサービスの特徴と位置付けを順に整理します。

CrowdStrike Falcon Complete|業界最高評価の一角・グローバル展開重視

CrowdStrikeのFalcon Completeは、業界で最も高い評価を受け続けるMDRサービスの一つで、特にエンタープライズ/グローバル企業での実績が圧倒的です。

  • 基本構成:Falcon EDR + 24/7 SOC運用 + 脅威ハンティング
  • 対応モデル:フルレスポンス型(端末隔離・プロセス停止・封じ込めまでベンダーが実行)
  • 強み:世界トップクラスの脅威インテリジェンス(Threat Graph)、海外拠点を含むグローバル24h対応、Forrester/Gartner等の第三者評価で常にリーダー
  • 侵害補償(Breach Prevention Warranty):プランにより、防げなかった侵害に対する金銭補償を提供(条件あり)
  • 主要ターゲット:中堅〜大企業、海外拠点を持つ企業、セキュリティ要件が厳しい業種

 

Sophos MDR|世界最大級の顧客数とSMB親和性

Sophos MDRは、顧客数で世界最大級のMDRサービスで、特に中堅・中小企業(SMB)への導入実績の多さが大きな特徴です。

プランは段階的に用意されており、エンドポイント中心のEssentialから、ネットワーク/メール/クラウドまで広く監視するComplete/Advancedまで選択可能。日本国内のパートナー網も厚く、導入相談先にアクセスしやすいのも強みです。

  • プラン構成:Sophos MDR Essential(基本監視+封じ込め)/Sophos MDR Complete(フォレンジック・復旧支援含む)など段階的
  • 対応モデル:プランによりフルレスポンス型まで対応
  • 強み:世界最大級の顧客数で得た脅威データ、Sophos Centralによる他Sophos製品との一元管理、サードパーティEDR(Microsoft Defender/CrowdStrike等)にも対応可能な汎用性、SMB向けの手頃な価格設定
  • 復旧支援:上位プランでフォレンジック調査・復旧支援を提供
  • 主要ターゲット:中小〜中堅企業、Sophos既存ユーザー、運用工数を最小化したい組織

 

SentinelOne SOC|AI主導のEDRと相性の良い対応モデル

SentinelOne SOCは日本の代理店が提供するサービスです。日本にあるSOCチームが、対応しますので、必要に応じて日本語で会話しながら対応も可能です。

SentinelOneのAI/自動応答が強力なため、SOCチームはそれを補完する形で『専門アナリストによるトリアージ・脅威ハンティング・対応支援』を担います。

  • 対応モデル:Singularityプラットフォーム上での自動応答+アナリストの対応指示
  • 強み:オフライン環境でも機能するエージェント側AIとの組み合わせで対応速度が高い、ロールバック機能との連携でランサム被害を最小化、API・拡張性が高くSOAR・SIEM連携が容易
  • 主要ターゲット:中堅〜大企業、クラウドワークロードを持つ企業、自動化志向の組織

 

機能・対応範囲徹底比較表

3社MDR比較

主要項目を一覧で比較すると次のようになります(細部のSLA・条件は契約・年度・パートナーにより変動するため、最新の見積で確認してください)。

項目 CrowdStrike Falcon Complete Sophos MDR SentinelOne SOC
提供形態 Falcon EDR+専任SOC Sophos Endpoint+専任SOC(他社EDRも対応可) Singularity+専任アナリスト
監視時間 24時間365日 24時間365日 平日9時~17時
対応モデル フルレスポンス(封じ込め実行) プランによりフルレスポンス/復旧支援含む フルレスポンス(自動応答併用)
脅威ハンティング 専任ハンター(OverWatch) プロアクティブハンティング標準 アナリストによるハンティング(Pro)
対応範囲 エンドポイント中心、ID/クラウドにも拡張可 エンドポイント+メール/FW/ネットワーク/クラウド エンドポイント+クラウド/コンテナ/ID(Singularity)
サードパーティEDR対応 原則Falcon Microsoft Defender/CrowdStrike等にも対応可 原則SentinelOne
侵害補償 Breach Prevention Warranty提供 上位プランで侵害補償あり SentinelOneプラットフォーム保証
ロールバック ―(FalconのEDR機能内) CryptoGuard連携 1クリックロールバック標準
日本語対応 日本法人・パートナー経由 国内パートナー網が厚い/日本語報告 日本法人・パートナー経由
価格帯 高価格帯(プレミアム) 中価格帯(SMB向けが手頃) 中〜高価格帯
主要ターゲット 中堅〜大企業/グローバル拠点 中小〜中堅企業/統合管理志向 中小〜中堅企業/自動化志向
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サードパーティEDR対応の違い

3社のうちサードパーティEDR(他ベンダーのEDR製品)にも対応するのはSophos MDRです。Microsoft Defender for Endpoint、CrowdStrike Falcon等を既に導入している企業でも、Sophos MDRに『運用代行だけ』を任せられます。

CrowdStrike Falcon CompleteとSentinelOne Vigilanceは、それぞれ自社EDRと一体化した提供モデルが基本です。EDR+MDRをワンセットで刷新したい企業に向きます。

運用・コスト・サポート比較

対応チームの様子

機能面で大差がない以上、選定の決め手は「運用任せの度合い」「日本語対応」「コスト」です。

運用負荷の比較

観点 CrowdStrike Sophos SentinelOne
導入のしやすさ EDR+MDR一体導入 導入はしやすい/他社EDRにも対応 EDR+SOC一体導入
専任セキュリティ担当者 いれば理想/いなくても可 不要(運用ほぼ全任せ可) いれば理想/いなくても可
アラートの量 フィルタ後でも要レビュー SOCで一次対応済み 自動応答後の確認

 

コスト感の目安

公開定価は限定的ですが、業界一般の傾向は次の通りです。

  • CrowdStrike Falcon Complete:3サービスの中で最高価格帯。ただし侵害補償付きのプレミアムサービスとして位置付け
  • Sophos MDR:SMB向けプラン(Essential)は手頃で、中小企業でも月額数十万円規模で本格運用が可能
  • SentinelOne SOC:かなり低価格。中小企業におすすめ。

正確な価格は端末数・対応範囲・プラン階層・販売パートナーで変動するため、必ず複数社見積もりを取りましょう。

日本国内サポート体制

3社ともに日本法人・正規代理店を持っていますが、中小企業との相性が高いのはSophos MDRです。国内パートナー網が厚く、日本語の導入・運用支援を受けやすい環境が整っています。

CrowdStrike Falcon CompleteとSentinelOne Vigilanceは、グローバル拠点を持つ中堅以上、もしくはセキュリティに本格投資できる企業での実績が中心です。

シーン別おすすめ|自社にどれが合うか

ここまでの比較を踏まえ、状況別の推奨を整理します。

① セキュリティ専任者がいない/IT担当が兼任の中小企業

Sophos MDR Essential + Sophos Endpointがおすすめです。

SMB向けプランで価格が手頃、運用は実質的にSophos側のSOCに任せられるため、日々のアラート対応に追われずに済みます。既にSophos UTM/Firewall/Email等を使っている企業なら、Sophos Centralでの一元管理メリットも大きくなります。

② Microsoft Defender/既存EDRに運用代行を追加したい企業

Sophos MDR(サードパーティEDR対応プラン)がおすすめです。

Microsoft Defender for Endpointや他ベンダーのEDRを既に導入済みの場合でも、Sophos MDRなら「運用代行だけ」を任せられます。EDRを買い替えずにMDRだけ追加できる柔軟性は3社で唯一の強みです。

③ グローバル拠点があり最高水準の対応を求める企業

CrowdStrike Falcon Completeがおすすめです。

Threat Graphによる広範な脅威可視化、世界各拠点をカバーする24時間SOC、業界最上位の評価実績、侵害補償(Breach Prevention Warranty)など、エンタープライズ要件にフル対応します。

④ とにかく安いしたい企業

SentinelOne SOCがおすすめです。

エージェント側AIによる自動応答+アナリストのプロアクティブハンティング+1クリックロールバックの組み合わせで、侵害発生からの被害最小化を高速に実現できます。クラウドワークロード(Singularity Cloud)まで含めた統合MDRも可能です。

 

導入前に確認すべき5つのポイント

製品選定の前に、自社で必ず確認しておきたい観点を整理します。

① 対応モデル(どこまでやってくれるか)

「監視+通知だけ」なのか、「端末隔離・封じ込めまで」なのか、「復旧支援まで含む」のかをプラン別に確認します。中小企業は『封じ込め実行までベンダーが行う』水準を最低条件にしましょう。

② SLA(応答時間)

重大インシデント発生から何分以内に通知・対応開始するか(MTTD・MTTRの公表値)を比較します。各社の数値を契約書で必ず確認してください。

③ 日本語対応の質

24時間365日対応のアナリストに日本語話者が含まれるか、報告書が日本語で提供されるかは実務に大きく影響します。国内パートナーが介在する場合は、その品質も含めて確認します。

④ 既存環境との接続性

現在のEDRをそのまま活かしてMDR追加するか(Sophos MDRの強み)、EDRごと刷新するかでアプローチが変わります。Microsoft 365 / Google Workspace / 既存FWなどとの統合可否も確認します。

⑤ 侵害補償の有無

「もし防げなかったら金銭補償する」という条項は、ベンダーの自信表明として重要です。CrowdStrike Falcon CompleteのBreach Prevention Warrantyや、Sophos MDR上位プランの補償条項などを比較しましょう。

▶ 関連記事:ランサムウェア「二重脅迫・三重脅迫」の最新動向と中小企業の備え方

 

まとめ:「運用任せきれるか」を最優先で選ぶ

CrowdStrike Falcon Complete・Sophos MDR・SentinelOne Vigilanceは、いずれも世界トップクラスのMDRサービスです。検知力や対応速度は横並び水準なので、最終的な選定軸は「自社の運用体制と運用任せきれる範囲」「既存EDRとの関係」「日本語対応・コスト」に集約されます。

  • 運用任せきれる/SMB向けコスト/既存EDRもOKを重視するなら → Sophos MDR
  • グローバル対応/業界最高水準/侵害補償を重視するなら → CrowdStrike Falcon Complete
  • AI自動応答/とにかく安く/自動化志向を重視するなら → SentinelOne SOC

EDRを「導入したけれどアラートを誰も見ていない」状態は、最悪の構成です。社内SOCがない/専任セキュリティ担当者がいない企業ほど、EDR+MDRをワンセットで検討することを強く推奨します。

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