法人スマホのモバイルセキュリティ対策|MDM・モバイルEPPの違いと費用相場・製品の選び方【中小企業向け】

テレワークやBYOD(私物スマホの業務利用)が広がり、業務で使うスマートフォン・タブレットは年々増えています。しかし「PCのウイルス対策はしているが、スマホは無防備」という中小企業は少なくありません。結論から言うと、法人のスマホ・タブレットは「MDM(端末の管理)」と「モバイルEPP(脅威対策)」の“両輪”で守るのが基本です。この記事では、モバイル特有の脅威、MDMとモバイルEPPの違い、費用相場、中小企業向けの製品の選び方までをわかりやすく整理します。
なぜ今スマホ・タブレットのセキュリティ対策が必要なのか?
スマホやタブレットは社外に持ち出して使うため、PCとは違うリスクにさらされます。「小さなPC」であると同時に、紛失・盗難や偽SMSなど、モバイルならではの入口が狙われます。代表的なモバイルの脅威は次のとおりです。
| モバイルの脅威 | どんな被害か | 具体例 |
|---|---|---|
| 端末の紛失・盗難 | 社外での置き忘れ・盗難で、端末内の業務データやメールが流出する | 電車内へのスマホ置き忘れ |
| スミッシング(SMSフィッシング) | 宅配・銀行を装う偽SMSのURLから、偽サイトや不正アプリへ誘導される | 「荷物の再配達」を装う偽SMS |
| 不正アプリ・野良アプリ | 公式ストア外や偽アプリからマルウェアに感染し、情報を抜き取られる | 便利ツールを装う情報窃取アプリ |
| 公衆Wi-Fiの盗聴(中間者攻撃) | 暗号化されていない公衆Wi-Fiで通信内容を盗み見・改ざんされる | カフェの偽アクセスポイント |
| OS・アプリの脆弱性放置 | アップデート未適用の端末の“穴”を突かれて侵入される | 古いOSのまま使い続けるタブレット |

▶ 関連記事:私物スマホの業務利用(BYOD)のリスクと社内ルールの作り方
モバイルセキュリティの2本柱とは?(MDMとモバイルEPPの違い)
モバイルセキュリティは、大きく「MDM(端末の管理・統制)」と「モバイルEPP(脅威対策=ウイルス・フィッシング対策)」の2つに分かれます。この2つは役割が違うため、どちらか一方だけでは守りきれません。会社スマホにとっての“管理者”と“用心棒”のように、両輪で揃えるのが基本です。
| 項目 | MDM(端末の管理) | モバイルEPP(脅威対策) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 端末の管理・統制(設定・配布・紛失対策) | 端末を脅威から守る(ウイルス・フィッシング検知) |
| 得意なこと | リモートロック/初期化、アプリ配信、パスコード強制、利用制限 | マルウェア検知、SMSフィッシング遮断、不正Wi-Fi(中間者攻撃)検知 |
| たとえると | 会社スマホの「管理者・ルール」 | 会社スマホの「用心棒・ワクチン」 |
| 単独で十分か | 盗難・紛失には強いが、ウイルスは防げない | 脅威は防げるが、端末の一元管理はできない |
つまり「MDMで統制し、モバイルEPPで脅威を防ぐ」という組み合わせが、中小企業のスマホ・タブレット防御の土台になります。
MDM・MAM・EMMは何が違う?(用語の整理)
製品を比べていると、MDM以外にもMAMやEMMといった言葉が出てきて混乱しがちです。まずは違いを整理しておきましょう。
| 用語 | 意味・守る単位 |
|---|---|
| MDM(モバイルデバイス管理) | 端末そのものを管理する。ロック・初期化・設定・アプリ配信など、端末単位の統制が中心。 |
| MAM(モバイルアプリ管理) | アプリ単位で管理する。業務アプリのデータだけを制御でき、私物スマホ(BYOD)に向く。 |
| EMM(統合モバイル管理) | MDM+MAM+MCM(コンテンツ管理)を束ねた上位概念。最近のMDM製品の多くはEMM相当の機能を備える。 |
中小企業では、まずはMDM(EMM)で端末を管理し、BYODが多い場合はMAM(業務データの分離)を重視する、と考えると選びやすくなります。
モバイルセキュリティの費用相場はいくら?
費用は「MDM(管理)」と「モバイルEPP(脅威対策)」で課金の仕方が異なります。MDMは端末(台)単位、モバイルEPPは利用者(人)単位が一般的です。おおよその相場は次のとおりです。
| タイプ | 初期費用 | 月額(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| MDM/EMM(クラウド型) | 0〜5万円 | 100〜330円/台 | 端末管理の定番。中小はクラウド型が主流で、サーバ購入は不要。 |
| モバイルEPP(脅威対策) | 0円前後 | 250〜500円/人 (年3,000〜6,000円) |
ウイルス・フィッシング対策。ユーザー課金が多い。 |
| Microsoft 365 標準(Intune) | ライセンスに同梱 | 追加0円※ | M365 Business Premium 契約済なら、追加費用なしでMDMを利用できる。 |
※Microsoft 365 Business Premium のライセンス費用の範囲内で利用できるという意味です。台数が少ないうちは「M365標準で始め、必要に応じて専用MDM・モバイルEPPを足す」のが現実的です。
▶ 関連記事:エンドポイントセキュリティの費用はいくら?EPP・EDR・MDRの料金相場と補助金で抑える方法
中小企業におすすめのモバイルセキュリティ製品は?
ここでは、役割の違う代表的な3つを比較します。CLOMO MDM(端末管理=MDM)、Sophos Intercept X for Mobile(脅威対策=モバイルEPP)、Microsoft Intune(M365標準のMDM)です。管理と脅威対策のどちらを担う製品かに注目してください。
| 項目 | CLOMO MDM | Sophos Intercept X for Mobile | Microsoft Intune |
|---|---|---|---|
| タイプ | MDM/EMM(端末管理) | モバイルEPP(脅威対策) | MDM/EMM(端末管理) |
| 対応OS | iOS/macOS/ Android/Windows11 |
Android/iOS/ Chrome OS |
iOS/Android/ Windows/macOS |
| 主な機能 | リモートロック・初期化、アプリ配信、ITポリシー自動適用、root化検知 | ディープラーニングでマルウェア検知、SMSフィッシング遮断、中間者攻撃・Web保護 | 端末管理、条件付きアクセス、アプリ保護ポリシー |
| ウイルス対策 | オプション(Deep Instinct連携) | ◎(中核機能) | Defender等と連携 |
| 料金目安(税別) | 初期19,800円+基本月2,100円+1台月300円〜 | 50〜99名で1人年3,410円(月約280円)〜 | M365 Business Premium に同梱(単体プランは別途) |
| 最低契約 | 5台〜 | 1名〜 | 1ライセンス〜 |
| こんな企業に | マルチOSの社用端末を一元管理したい | スマホの“脅威”もSophosでまとめて防ぎたい | すでにM365 Business Premiumを契約済み |
| 詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る | M365で完結 |
CLOMO MDMは国内シェアNo.1のクラウド型MDMで、iOS・Android・Windowsが混在する社用端末をまとめて管理できます。Sophos Intercept X for Mobileは、ディープラーニングでスマホのウイルスや偽SMSを検知する“脅威対策”に強い製品です。この2つのように、「管理(MDM)」と「脅威対策(EPP)」を組み合わせると抜けのない備えになります。なお、より詳しい端末管理製品どうしの比較は下記の記事も参考にしてください。
▶ 関連記事:端末管理3製品 徹底比較|Microsoft 365 vs Google Workspace vs LANSCOPE
どう選べばいい?(失敗しない5つのポイント)
- 「管理」と「脅威対策」の両輪で考える:MDMだけ/ウイルス対策だけに偏らず、端末管理と脅威対策の両方を揃える。
- 対応OSと最低契約台数を確認:iPhone中心か、Android混在か。5台から契約できるかなど、自社の台数に合うか確かめる。
- ゼロ情シスでも運用できるか:専任担当がいなくても使える操作性か、24時間の緊急対応(紛失時のリモートロック等)があるか。
- BYODか会社支給か:私物スマホ(BYOD)が多いなら、業務データと私用データを分けられるMAM/専用アプリが向く。
- M365・Google Workspace標準で足りるか:既存の標準機能で足りるのか、専用MDM・モバイルEPPが必要かを見極める。
補助金でモバイルセキュリティの費用は抑えられる?
モバイルセキュリティ(MDMやモバイルEPP)の導入費用は、「デジタル化・AI導入補助金」を活用して抑えられる場合があります。対象になれば、ソフトの費用や導入支援の一部が補助され、実質的な負担を大きく減らせます。当社が取り扱うCLOMO MDMも補助金の活用に対応しています。また、東京都の「サイバーセキュリティ対策促進助成金」など、自治体の助成金の対象経費に含まれるケースもあります。ただし補助率や対象要件は年度・制度で変わるため、最新の公募要領の確認や専門家への相談が必要です。アーデントは補助金申請のサポートから製品選定・導入・運用まで一貫してご支援します。
▶ 関連記事:セキュリティ対策の費用は補助金で抑えられる?デジタル化・AI導入補助金2026の対象・補助率・申請の流れ
導入時の注意点は?
- BYOD(私物)はプライバシー配慮とルール整備が必須:私物端末を管理する場合、監視範囲を明確にし、就業規則・同意を整える。
- iOSとAndroidで使える機能が異なる:マルウェア検知はAndroid中心など、OSごとに対応範囲が変わる点に注意。
- MDMは“管理”であり、ウイルス対策ではない:フィッシングやマルウェアを防ぐには、別途モバイルEPPが必要。
- 導入して終わりにしない:台数の棚卸し、退職者端末の初期化、ポリシー見直しなど、運用を続けることが大切。
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よくある質問(Q&A)
Q. スマホにもウイルス対策は必要ですか?iPhoneは安全と聞きますが。
A. iPhoneも「安全」ではありません。マルウェアはAndroidが中心ですが、SMSフィッシング(偽SMS)・偽サイト・公衆Wi-Fiの盗聴はiPhoneも対象です。業務で使うなら、MDM(管理)とモバイルEPP(脅威対策)で両面から守るのが安全です。
Q. MDMと普通のウイルス対策ソフトは何が違うのですか?
A. MDMは端末の「管理・統制」(ロック・初期化・設定・アプリ配信)が役割で、モバイルEPPは「脅威対策」(ウイルス・フィッシング検知)が役割です。目的が違うので、片方だけでなく両輪で揃えるのが基本です。
Q. 私物スマホ(BYOD)にも導入できますか?
A. 可能です。ただしプライバシーへの配慮が必要で、業務データと私用データを分けられるMAMや専用アプリでの運用が向きます。社内ルール(就業規則・同意)の整備も欠かせません。
Q. Microsoft 365を使っていればMDMは追加不要ですか?
A. M365 Business Premiumなら標準のMicrosoft IntuneでMDMを利用できます。ただしマルチOSの細かい制御や、国産の手厚いサポート・24時間の紛失対応が必要なら、CLOMOなどの専用MDMが有利です。
Q. 何台から導入できますか?費用はどのくらいですか?
A. クラウド型MDMは5台程度から導入できます。目安は初期0〜5万円+1台あたり月100〜330円、モバイルEPPは1人あたり月250〜500円です。補助金を使えば実質的な負担をさらに抑えられます。
まとめ
法人のスマホ・タブレットは、PCとは違う「紛失・盗難」「偽SMS」「公衆Wi-Fi盗聴」などの脅威にさらされます。
これらから守るには、端末を管理する「MDM」と、脅威を防ぐ「モバイルEPP」の“両輪”で備えるのが基本です。
MDMはリモートロックやアプリ配信で端末を統制し、モバイルEPPはウイルスやフィッシングを検知して防ぎます。
費用の目安はMDMが1台月100〜330円、モバイルEPPが1人月250〜500円ほど。M365 Business Premiumなら標準のIntuneから始めることもできます。
製品はCLOMO MDM(管理)とSophos Intercept X for Mobile(脅威対策)のように、役割を組み合わせて選ぶと抜けがありません。
そして、これらの導入費用はデジタル化・AI導入補助金で抑えられる可能性があります。
アーデントは、自社の台数や運用体制に合ったモバイルセキュリティの選定から、補助金申請・導入・運用までワンストップでご支援します。まずはお気軽にご相談ください。