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IDaaS(アイダース)とは?SSO・ID管理ツールの比較と費用相場・選び方【中小企業向け】

IDaaSでバラバラのID・パスワードを1つの認証に集約しクラウドサービスへシングルサインオンするイメージ

結論から申し上げます。
Microsoft 365やGoogle Workspace、勤怠・会計・チャットなど、社員が毎日使うクラウドサービスが5つ以上になっているなら、IDaaS(アイダース)の導入を検討する段階です。
IDaaSは、増えすぎたID・パスワードを1つのログインにまとめ、同時に多要素認証や退職者アカウントの一括停止まで実現する「認証の司令塔」です。

費用の目安は1ユーザーあたり月額300〜660円程度
すでにMicrosoft 365 Business Premiumをお使いなら、標準搭載のMicrosoft Entra IDで追加費用ゼロから始められるケースもあります。
さらに導入費用は「デジタル化・AI導入補助金」の対象になり得ます。

この記事では、IDaaSとは何かという基本から、主な機能・タイプ・費用相場・主要4製品の比較・メリットとデメリット・中小企業向けの選び方までを、専門用語をかみくだいて解説します。

IDaaS(アイダース)とは?何ができる仕組み?

IDaaS(Identity as a Service/アイダース)とは、社員のID・パスワードとアクセス権限をクラウド上で一元管理するサービスです。
「社内のあらゆるサービスに入るための、たった1つの正面玄関」をつくるイメージだとお考えください。

これまでは、クラウドサービスごとに別々のID・パスワードを社員が覚え、管理者は入社・異動・退職のたびに全サービスを1つずつ設定して回っていました。
IDaaSを入れると、社員は1回ログインするだけで許可されたサービスすべてを使えるようになり、管理者はIDaaSの管理画面1か所で全員のアカウントと権限を管理できるようになります。

IDaaSが担う役割は、大きく次の4つです。

役割 中身をかみくだくと
シングルサインオン(SSO) 1回のログインで、許可された複数のクラウドサービスにそのまま入れる仕組み。パスワードを何個も覚える必要がなくなる
ID管理・自動連携 入社したら全サービスのアカウントを自動作成、退職したら自動停止。「消し忘れアカウント」を防ぐ(プロビジョニング=アカウントの自動払い出し)
多要素認証(MFA) パスワードだけでなく、スマホ・生体認証・証明書などを組み合わせて本人確認を強化する
アクセス制御・ログ 「会社の端末から」「日本国内から」「業務時間内だけ」など条件を付けて接続を許可し、誰がいつ何に入ったかを記録する

なぜ今、中小企業にIDaaSが必要なのか?

「うちは社員30人だからIDaaSはまだ早い」と考えられる経営者の方は少なくありません。
ですが、社員数ではなく「使っているクラウドサービスの数」で判断すると、必要性の見え方が変わります。

理由1:不正アクセスの入口の多くは「ID・パスワードの突破」だから

外部からの侵入は、高度な技術で壁を破られるより、どこかで漏れたID・パスワードでそのまま正面から入られるケースが目立ちます。
パスワードを使い回していれば、他社のサービスから漏れた1組の情報で、自社の業務システムまで開いてしまいます。
IDaaSで入口を1つに絞り、そこに多要素認証をかけるのが、もっとも費用対効果の高い守り方です。

▶ 関連記事:パスワードの使い回しがなぜ危険か?リスクをわかりやすく解説

理由2:退職者アカウントの消し忘れが起きるから

クラウドサービスが10個あれば、退職時に止めるべきアカウントも10個あります。
1つでも消し忘れれば、元社員が退職後も社内データを閲覧できる状態が残ります。
IDaaSなら、IDaaS側でアカウントを1つ停止するだけで、連携している全サービスへのログインを一斉に遮断できます。

▶ 関連記事:退職者のアカウント、ちゃんと削除していますか?情報漏洩リスクを解説

理由3:情シス担当が1〜2名(あるいは兼任)だから

中小企業では、情報システム担当が総務や経理との兼任というケースが大半です。
「パスワードを忘れました」という問い合わせ対応、入退社のたびのアカウント作成・削除は、積み上がると相当な工数になります。
IDaaSはこの定型作業を自動化し、限られた人手をより重要な業務に回せるようにします。

IDaaSの主な機能は?

シングルサインオン、アカウント自動連携、多要素認証と端末制限の3つの機能を表した図
機能 できること・中小企業でのメリット
シングルサインオン(SSO) 1回のログインで複数のクラウドへ。SAML(サービス同士が安全に本人情報をやりとりする標準規格)に対応していない古い社内システムも、製品によっては「フォームベース認証」でまとめられる
ID管理・自動プロビジョニング Active Directory(社内のアカウント管理台帳)やMicrosoft 365と連携し、入退社・異動にあわせてアカウントを自動で追加・変更・停止
多要素認証・パスワードレス パスキー(FIDO2)・生体認証・ワンタイムパスワード・証明書などで本人確認を強化。パスワード自体を廃止する運用も可能
アクセス制御 IPアドレス・端末・時間帯・国で接続可否を判定。私物端末や海外からのアクセスを一律ブロックできる
デバイス証明書による端末制限 会社が配布した証明書を持つ端末だけログインを許可。ID・パスワードが漏れても不正ログインを防げる
ログ・監査レポート 「誰が・いつ・どこから・何に」ログインしたかを記録。取引先からのセキュリティ確認や監査への回答材料になる

IDaaSとMFA・パスワード管理ツールは何が違う?

名前が似ているため混同されやすいのですが、守っている範囲が異なります。
IDaaSは「アカウントそのものを統制する基盤」、多要素認証(MFA)は「本人確認を1段階増やす仕組み」、パスワード管理ツールは「パスワードを安全に保管する金庫」です。

多くのIDaaSは多要素認証を標準機能として内包しているため、IDaaSを導入すればMFAも同時に手に入ります。
一方、パスワード管理ツールはSSOに対応していないサービスや個人アカウントを補うもので、IDaaSと併用するのが現実的です。

▶ 関連記事:多要素認証(MFA)ツール比較|法人向けおすすめ製品と料金・認証方式の選び方【中小企業向け】

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IDaaSにはどんなタイプがある?

製品は大きく4タイプに分かれます。自社がどのタイプを必要としているかを先に決めると、候補が一気に絞れます。

タイプ 特徴 費用感(1ID/月) 向いている会社
国産IDaaS
(SSO・ID管理特化)
連携アプリ数が多く、日本語サポートと管理画面。導入しやすく価格も抑えめ 300〜660円 クラウドサービスが増えて管理が煩雑になっている会社
MFA特化型 認証強化に特化。VPN・Windowsログイン・閉域網など、SSO以外の入口も守れる 400〜500円 スマホを配布できない現場や、VPNの入口を固めたい会社
Microsoft 365標準
(Entra ID)
M365の契約に含まれる範囲で利用。追加契約なしで始められる 実質0円〜
(上位は別途)
業務がMicrosoft 365でほぼ完結している会社
海外大手IDaaS 機能は豊富だが高価格。サポートが代理店経由・英語資料になりがち 800円〜 海外拠点があり、複雑な権限設計が必要な会社

IDaaSの費用相場はいくら?

IDaaSはほぼすべてが「1ユーザーあたり月額いくら」の課金です。
端末の台数ではなく人数で決まるため、1人が複数端末を使う会社ほど割安になります。

提供形態 初期費用 月額(1ユーザー) 特徴
クラウド型(主流) 0〜数万円 300〜660円 申込後すぐ利用開始。サーバー構築が不要で、中小企業の標準的な選択肢
パッケージ型
(自社サーバー設置)
数十万円〜 400円前後 社内システムとの細かい連携や画面カスタマイズが可能。構築・保守の手間はかかる
Microsoft 365標準 0円 追加0円〜 Business Premium等にEntra ID P1が含まれる。ただし他社SaaSの細かな連携は範囲を要確認

費用を見積もるときは、月額ライセンスだけでなく、初期費用・連携設定の作業費・オプション(デバイス証明書など)も含めた総額(TCO)で比較してください。
たとえばデバイス証明書は1端末あたり月100円前後の追加になる製品もあります。
また、多くの製品には「最低10ID」「最低30ID」といった契約下限があるため、人数が少ない会社では1人あたり単価が上がる点にご注意ください。

主要IDaaSを比較すると?

当社が取り扱う国産IDaaS3製品と、Microsoft 365標準のEntra IDを並べました。
価格は税別・1ユーザーあたり月額の目安です(CloudGate UNOはカッコ内が税込)。

項目 GMOトラスト・ログイン CloudGate UNO PassLogic Microsoft Entra ID
提供元 GMOグローバルサイン ISR パスロジ Microsoft
タイプ 国産IDaaS
(SSO・ID管理)
国産IDaaS
(ゼロトラストSSO)
MFA特化
(SSO連携も可)
M365標準
月額(1ユーザー) 無料プランあり
プロプラン 300円
400円(440円)〜
600円(660円)
クラウド版 480円
パッケージ版 最大408円
M365 Business Premium
等に同梱(追加0円)
最低ID数 30ID〜(プロプラン) 10ユーザー〜 クラウド10ID/
パッケージ20ID
連携アプリ数 約8,800(連携数無制限) 500以上 SAML2.0/RADIUS
/リバースプロキシ
Microsoft製品に強い
主な認証方式 パスキー/OTP/
クライアント証明書/
IP制限/プッシュ通知
パスキー/生体認証/
セキュリティキー/OTP/
デバイス証明書
マトリックス方式など
9種類から選択
Authenticator/
パスキー
とくに強い点 連携アプリ数と低価格。SAML非対応の社内システムもSSO化できる 端末・IP・時間・国での細かなアクセス制御とデバイス証明書 スマホ配布不要。VPNやWindowsログインの入口も強化できる 追加費用なしで始められる
無料トライアル 無料プランあり 1か月 無料評価版あり
詳細 詳細を見る 詳細を見る 詳細を見る Microsoft 365で完結

※価格・仕様は改定されることがあります。実際の見積りは契約ID数や必要オプションによって変わりますので、最新の条件は当社までお問い合わせください。

▶ 関連記事:CloudGate UNO vs GMOトラスト・ログイン 徹底比較|国産IDaaS/SSOの違いと選び方

▶ 関連記事:GMOトラスト・ログイン vs PassLogic|国産IDaaS/多要素認証を徹底比較

Microsoft 365を使っていればIDaaSは不要?

Microsoft 365 Business Premiumなどの上位プランには、Microsoft Entra ID(旧Azure AD)のP1相当が含まれており、シングルサインオンと多要素認証を追加費用なしで使えます。
「まずコストをかけずに認証を強化したい」という会社にとって、これは有力な出発点です。

一方で、次のようなケースでは専用のIDaaSを検討する価値があります。

  • Microsoft以外のSaaS(勤怠・会計・チャット・業務システム)を多数使っており、細かな連携やアカウント自動同期まで求めたい
  • SAMLに対応していない古い社内Webシステムもまとめてシングルサインオンにしたい
  • デバイス証明書による厳密な端末制限を、追加サーバーを立てずに安価に実現したい
  • 設定や運用について、日本語で電話・チャットのサポートを受けたい

▶ 関連記事:Microsoft Entra ID vs Google Cloud Identity 徹底比較

IDaaSを導入するメリットは?

  • 不正ログインのリスクが下がる:入口を1つに集約し、そこに多要素認証をかけることで、パスワード漏えいだけでは侵入されなくなります。
  • 情シスの運用工数が減る:入退社時のアカウント作成・削除、パスワード再発行の問い合わせ対応が大きく減ります。
  • 社員の生産性が上がる:朝1回のログインで業務が始められ、サービスごとにパスワードを探す時間がなくなります。
  • 監査や取引先への説明がしやすくなる:アクセスログが1か所に残るため、「誰が何にアクセスできるか」を即答できます。

▶ 関連記事:取引先から「セキュリティ対策の証明を求められた」ときの対応法

デメリット・注意点はある?

  • IDaaSが止まると影響範囲が広い:入口を集約する以上、障害時は複数サービスに一斉に影響します。稼働率の実績(99.9%以上か)とBCP対策、障害時の代替ログイン手段を必ず確認してください。
  • すべてのシステムを連携できるとは限らない:独自開発の社内システムなど、標準機能では連携できないものがあります。契約前に「連携したいサービス一覧」を渡して、可否を確認するのが確実です。
  • 月額が継続的に発生する:人数が増えれば費用も増えます。契約下限(最低10ID・30IDなど)にも注意が必要です。
  • 移行と社員教育の手間がかかる:初期のアカウント整理・連携設定・利用方法の周知が必要です。ここを支援してくれる導入パートナーの有無が、成否を分けます。

補助金でコストは抑えられる?

IDaaSは、業務のクラウド化とセキュリティ強化を同時に実現するツールであるため、「デジタル化・AI導入補助金」(従来のIT導入補助金から名称が変わりました)の対象になり得ます。
対象となれば、初期費用や一定期間分の利用料の一部が補助され、自己負担を抑えて導入できます。

ただし、対象となるITツールや補助率・上限額・申請要件は年度ごとに見直されます。
また、補助金は原則として交付決定前に発注・契約したものは対象外になるため、進め方の順序が重要です。
最新の公募要領を確認したうえで、支援事業者や専門家にご相談ください。
株式会社アーデントは同補助金の支援事業者として、対象製品の選定から申請までをお手伝いしています。

▶ 関連記事:セキュリティ対策の費用は補助金で抑えられる?デジタル化・AI導入補助金2026の対象・補助率・申請の流れ【中小企業向け】

中小企業はIDaaSをどう選べばいい?

  1. 連携したいサービスを書き出す:Microsoft 365、Google Workspace、勤怠、会計、チャット、社内システム…と一覧にします。この一覧が選定の出発点であり、見積り依頼の材料にもなります。
  2. SAML非対応のシステムがあるか確認する:古い社内Webシステムを含めたいなら、フォームベース認証に対応した製品を選ぶ必要があります。
  3. 必要な認証方式を決める:スマホを配布できるならパスキーやアプリ認証、配布できない現場ならマトリックス方式やハードウェアトークンが向きます。
  4. 契約下限と総額で比べる:単価だけでなく、最低ID数・初期費用・オプションを足した年間総額で比較します。
  5. 無料トライアルで管理画面を触る:実際に運用するのは自社の担当者です。管理画面の分かりやすさと日本語サポートの手厚さは、導入後の負担を大きく左右します。

▶ 関連記事:パスワードレス認証(パスキー/FIDO2)完全ガイド|中小企業がいま導入すべき理由

よくある質問(Q&A)

Q. 社員が何人くらいからIDaaSを導入すべきですか?

A. 人数よりも「使っているクラウドサービスの数」が判断材料になります。
目安として、業務で使うサービスが5つ以上あり、入退社が年に数回発生するなら、10〜30名規模でも十分に効果が出ます。
製品側の契約下限は10ID〜30IDが一般的です。

Q. Microsoft 365の多要素認証だけでは足りませんか?

A. Microsoft製品だけで業務が完結しているなら、Entra IDの機能で十分なことが多いです。
他社SaaSや社内システムを多数使っている、あるいは端末制限や細かなアクセス制御まで行いたい場合に、専用IDaaSの価値が出ます。

Q. IDaaSに障害が起きたら、業務が止まりませんか?

A. 影響が広がるのは事実ですので、稼働率の実績とBCP対策、障害時の代替ログイン手段を導入前に確認してください。
主要な国産IDaaSは99.9%以上の稼働率と冗長構成を公表しており、実運用での停止はまれです。

Q. パスワード管理ツールを使っていれば、IDaaSは不要ですか?

A. 役割が異なります。
パスワード管理ツールは「パスワードを安全に保管する金庫」で、パスワード自体は残ります。
IDaaSは「アカウントを組織として統制する基盤」で、退職者の一括停止や端末制限まで行えます。
SSOに対応しないサービス向けに、両方を併用する会社も多くあります。

Q. 情シス担当がいなくても運用できますか?

A. 初期の連携設定さえ済めば、日常運用はアカウントの追加・停止が中心で、兼任担当でも回せる範囲です。
その初期設定が最大の山場になりますので、導入支援と日本語サポートのある製品・パートナーを選ぶことをおすすめします。

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まとめ

IDaaSは、増えすぎたID・パスワードを1つの入口にまとめ、そこに多要素認証とアクセス制御をかける「認証の司令塔」です。
導入の判断基準は社員数ではなく、業務で使うクラウドサービスの数。5つ以上あるなら検討の価値があります。
費用は1ユーザーあたり月額300〜660円程度が中心で、Microsoft 365 Business Premiumをお使いならEntra IDで追加費用なしから始めることもできます。
一方、他社SaaSや古い社内システムまで含めて統制したい場合は、連携数と日本語サポートに強い国産IDaaSが現実的な選択肢になります。
導入前には、連携したいサービスの一覧化・契約下限を含めた総額比較・無料トライアルでの管理画面確認という3点を必ず行ってください。
費用は「デジタル化・AI導入補助金」で抑えられる可能性があります。要件は年度で変わりますので、最新の公募要領の確認と専門家への相談をおすすめします。

株式会社アーデントは、GMOトラスト・ログイン/CloudGate UNO/PassLogicをはじめとするIDaaS・多要素認証製品を取り扱い、補助金の活用を含めてご提案しています。
「どれが自社に合うか分からない」という段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。

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