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ESETとカスペルスキーは法人ならどっち?料金・機能・スマホの数え方・EDRの違いと、ロシア製を取引先に説明できるかまで比較【中小企業向け】

ESETとカスペルスキーの法人向け比較

「ESETとカスペルスキー、法人で入れるならどっちがいいの?」──中小企業のご相談で、とても多い質問です。
どちらも「軽い」「検出率が高い」「価格が手ごろ」と評価される製品なので、ネットの比較記事を読んでも決め手が見つからない、という声をよく聞きます。

ただ、ネット上の比較記事の多くは個人向け(家庭用)製品の比較です。
法人で選ぶときに本当に差が出るのは、検出率や価格よりも「スマホを何台守るか」「EDR(侵入後の調査機能)がどのプランから付くか」「取引先や社内にロシア系の製品を説明できるか」の3点です。

この記事では、当社が両方を取り扱っている立場から、法人向けのESET PROTECTとKaspersky Next/スモールオフィスセキュリティを、料金(台数別の試算)・機能・運用・リスクの面から横並びで比較します。

結論を先にお伝えします。
・PCだけを守りたい・取引先への説明を気にしたくない会社は ESET PROTECT(Advanced 月645円/台〜)
・社用スマホも多い・少ない予算でEDRまで欲しい会社は Kaspersky Next EDR Foundations(年7,890円/台〜・スマホ2台で1ライセンス換算)
・10台以下でIT担当者がいない会社は カスペルスキー スモールオフィスセキュリティ(月400円/台)
ただし、官公庁・防衛・重要インフラ関連の取引がある会社は、契約前に取引先のルールを確認してください。

ESETとカスペルスキーは、そもそも何が違う?

まず、会社としての成り立ちと、日本での売られ方を整理します。ここが後で説明する「地政学リスク」の話につながります。

項目 ESET(イーセット) カスペルスキー(Kaspersky)
本社 スロバキア(ブラチスラバ) ロシア(モスクワ)※持株会社は英国
創業 1992年 1997年
日本での販売 キヤノンマーケティングジャパンが総代理店 日本法人(株式会社カスペルスキー)が販売
法人向けの主力 ESET PROTECT(Entry/Advanced/Complete/Elite) Kaspersky Next(EDR Foundations/Optimum/Expert)
スモールオフィスセキュリティ
よく言われる強み 動作が軽い・誤検知が少ない 検出率が高い・機能が多い
よく言われる弱み iPhoneのウイルス対策がない・EDRは上位プランのみ ロシア企業であることへの懸念

どちらも欧米の大手と比べて「軽い・安い・高性能」という評価で、日本の中小企業に長く選ばれてきた製品です。
製品の性能だけで見ると、正直なところ大きな差はありません。
差が出るのは、次に説明する「料金の数え方」と「会社としてのリスク」です。

▶ 関連記事:中堅・中小企業向けエンドポイント徹底比較|ESET PROTECT vs ウイルスバスター ビジネスセキュリティ vs Sophos Endpoint

ウイルスを防ぐ性能は、どちらが上?

第三者のテスト機関の結果を見ると、両社とも長年トップクラスです。
オーストリアの評価機関 AV-Comparatives が2026年1月に公表した「Consumer Summary Report 2025」では、ESETとKasperskyの両方が最高評価の「Top-Rated Product」を受賞しています。

評価(AV-Comparatives 2025年) ESET Kaspersky
Top-Rated Product(年間の最高評価) 受賞 受賞
個別テストの評価 全7テストで最高段階「Advanced+」 全テストで「Advanced+」
とくに評価された分野 標的型攻撃・ファイルレス攻撃の防御(Advanced Threat Protection で Gold) マルウェア防御・誤検知の少なさ(Gold)

出典:AV-Comparatives「Consumer Summary Report 2025」(2026年1月公表)。
※このレポートは個人向け(コンシューマー)製品の評価です。法人向け製品は検出エンジンを共有していますが、管理機能やEDRの評価は含まれていません。

つまり「どちらのほうがウイルスを防げるか」で選ぶ意味は、ほとんどありません。1回のテスト結果の差で選ぶより、自社の運用に合うかどうかで選ぶほうが、失敗しにくくなります。

▶ 関連記事:セキュリティソフトの比較は何を基準に選ぶ?第三者評価機関と「検知率99%」の正しい読み方

法人向けの料金は、いくら違う?

ここからが、法人で選ぶときの本題です。まず当社でのプラン別の料金を並べます(いずれも税別・1台あたり)。

ESET PROTECT の料金

プラン 月額(1台) 年額換算(1台) 最低ライセンス数 主な追加機能
Entry 495円 5,940円 6 ウイルス対策・フィッシング対策・デバイス制御
Advanced 645円 7,740円 6 +ランサムウェア対策・FW・迷惑メール対策・サンドボックス・フルディスク暗号化
Complete 793円 9,516円 6 +脆弱性/パッチ管理・Microsoft 365の保護
Elite 1,117円 13,404円 26 +EDR/XDR

Kaspersky Next の料金(新規1年・1ライセンス)

ライセンス数 EDR Foundations EDR Optimum
5〜9 7,890円 16,580円
10〜14 7,890円 16,580円
15〜19 7,710円 15,300円
20〜24 7,540円 14,200円
25〜49 7,360円 12,840円
50〜99 6,890円 11,480円
100〜149 5,780円 10,330円

このほか、10台前後の小さな会社向けにカスペルスキー スモールオフィスセキュリティ(1台 月400円・25台まで)があります。
管理画面は簡易的ですが、インストールするだけで保護が始まり、ランサムウェア被害からのファイル復元や自動バックアップまで付いています。

表の単価だけで比べると、判断を誤ります。ESETは「1台=1ライセンス」ですが、Kaspersky Next は「PC・サーバーの台数」と「スマホの台数の半分」のうち大きいほうでライセンス数を数えます。つまりスマホを持たせている会社ほど、カスペルスキーが有利になります。

10台・30台・スマホありで試算すると、どちらが安い?

実際の会社の規模に当てはめて、年間の費用を試算してみます(税別・当社の料金表にもとづく目安。数量や契約年数で変わります)。

ケース ESET PROTECT Advanced Kaspersky Next EDR Foundations スモールオフィスセキュリティ
PC10台 645円×10台×12か月
= 年77,400円
7,890円×10
= 年78,900円
400円×10台×12か月
= 年48,000円
PC30台 645円×30台×12か月
= 年232,200円
7,360円×30
= 年220,800円
対象外(25台まで)
PC30台+社用スマホ20台 645円×50台×12か月
= 年387,000円
7,360円×30(スマホ20台は10ライセンス分で、PC30台を下回るため追加なし)
= 年220,800円
対象外
EDRまで入れる(PC30台) Elite 1,117円×30台×12か月
= 年402,120円
Foundationsに基本的なEDR(原因分析)が標準
= 年220,800円
—

PCだけの会社なら、両社の差は年に数千円〜1万円程度です。
ところが社用スマホを20台持たせると、年に約16万円の差が生まれます。
ESETはスマホにも1台ずつライセンスが必要で、しかもiPhoneはウイルス対策の対象外(端末管理のみ)だからです。

また、EDR(侵入された後に何が起きたかを追いかける機能)を入れたい場合、ESETは最上位の Elite(最低26ライセンス)が必要なのに対し、Kaspersky Next は一番下の Foundations から基本的な原因分析(ルートコーズ分析)が付いています。
ただし Foundations のEDRは「見える化」が中心で、端末の隔離やネットワーク分離まで行うには Optimum 以上が必要です。

スマホの数え方とEDRで変わる法人向けセキュリティソフトの費用

▶ 関連記事:EDRとは?ウイルス対策ソフト(AV)・NGAVとの違いと、被害企業の88%がAVを入れていたという現実

▶ 関連記事:法人スマホのモバイルセキュリティ対策|MDM・モバイルEPPの違いと費用相場・製品の選び方

機能と運用で比べると、どこが違う?

中小企業がよく検討する価格帯のプランを、機能で横並びにしました。

項目 ESET PROTECT Advanced ESET PROTECT Complete Kaspersky Next EDR Foundations Kaspersky Next EDR Optimum
1台あたり(目安) 月645円 月793円 年7,890円〜 年16,580円〜
スマホの扱い 1台ずつ必要(iPhoneは端末管理のみ) 1台ずつ必要(iPhoneは端末管理のみ) スマホ2台で1ライセンス換算 スマホ2台で1ライセンス換算
管理画面 クラウド クラウド クラウド/オンプレミス クラウド/オンプレミス
サンドボックス 〇 〇 — —
フルディスク暗号化 〇 〇 見積時に確認 〇(BitLocker管理)
パッチ管理 × 〇 最新パッチの確認のみ 確認+インストール
Microsoft 365の保護 × 〇 × 〇
シャドーIT(無断のクラウド利用) — — 利用状況の把握 把握+ブロック
EDR ×(Eliteから) ×(Eliteから) △ 原因分析 〇 原因分析+隔離・分離
古いOS(Windows 7/Server 2008 R2等) 見積時に確認 見積時に確認 〇 〇
対応OS Windows・Mac・Linux・Android(iOSは端末管理のみ) Windows・Mac・Linux・Android(iOSは端末管理のみ) Windows・Mac・Linux・Android・iOS Windows・Mac・Linux・Android・iOS
日本語サポート 〇(国内総代理店) 〇(国内総代理店) 〇(日本法人) 〇(日本法人)
無料評価版 30日 30日 30日 30日
詳細 詳細を見る 詳細を見る 詳細を見る 詳細を見る

ざっくり言うと、ESETは「PCを軽く、確実に守る」製品、カスペルスキーは「1本でPC・スマホ・パッチ・シャドーITまで見る」製品です。
ESETはサンドボックス(怪しいファイルを隔離環境で試しに動かす機能)や暗号化を手ごろなプランで使える点、カスペルスキーはスマホとEDRを安く揃えられる点が、それぞれの強みです。

古い業務システムのために Windows Server 2012 などを残している会社では、カスペルスキーがレガシーOSに対応している点が助けになることもあります。
ただし、ウイルス対策ソフトでOSのサポート切れを補うことはできません。

▶ 関連記事:Windows Server 2012・2012 R2 のESUは2026年10月13日で完全終了

カスペルスキーはロシア製だけど、法人で使って大丈夫?

ここは、比較記事の多くがあいまいにしている点なので、事実を整理してお伝えします。

国・地域 起きたこと
米国 2024年6月20日、米商務省がカスペルスキー製品の販売禁止を発表。2024年7月20日から新規販売を禁止し、2024年9月29日で既存ユーザーへの更新提供も終了。カスペルスキーは米国事業から撤退しました。
ドイツ 2022年3月、連邦情報セキュリティ庁(BSI)がカスペルスキー製品の利用について注意喚起を行いました。
日本 2026年9月時点で、政府による使用禁止措置は出ていません。日本法人による販売とライセンス更新は続いています。

カスペルスキー側は、米国などの措置について「技術的な根拠が示されていない」と反論しており、データ処理の拠点をスイスに移すなどの透明性確保の取り組みを行っています。

技術的に危険な製品だと証明されたわけではありません。一方で、法人にとって現実に問題になるのは「技術」より「取引先への説明」です。

  • 官公庁・自治体・防衛関連・重要インフラ(電力・通信・金融など)と取引がある
  • 取引先からセキュリティのチェックシートで「使用しているセキュリティ製品名」を聞かれる
  • 親会社や海外の取引先が、ロシア製のソフトウェアを使わないルールを持っている

このどれかに当てはまる会社は、ESETなど別の製品を選ぶほうが、後から説明する手間がかかりません。
反対に、こうした取引がなく、コストと機能を優先したい会社にとって、カスペルスキーは今も合理的な選択肢です。

契約前に1つだけ確認してください。主要な取引先との契約書や、取引先から届いたセキュリティチェックシートに「使用禁止の製品」や「調達先の国」に関する条項がないかを確認してから決めると、あとで入れ替える二度手間を防げます。

▶ 関連記事:サプライチェーン攻撃とは?中小企業が「踏み台」にされる手口と取引停止や損害賠償のリスク

結局、自社にはどちらが合う?

こんな会社 おすすめ 理由
PCが中心で、スマホはあまり持たせていない ESET PROTECT Advanced 動作が軽く、サンドボックスと暗号化まで月645円で揃う
Windowsのパッチ管理やMicrosoft 365も守りたい ESET PROTECT Complete 月793円でパッチ管理・M365保護まで一本化できる
社用スマホ(とくにAndroid)を多く持たせている Kaspersky Next EDR Foundations スマホ2台で1ライセンス換算。台数が多いほど安くなる
少ない予算でEDRを入れたい Kaspersky Next EDR Foundations/Optimum 一番下のプランから原因分析が付き、Optimumで隔離まで可能
10台以下・IT担当者がいない スモールオフィスセキュリティ 月400円でインストールするだけ。ファイル復元やバックアップ付き
官公庁・重要インフラ関連の取引がある ESET PROTECT 取引先への説明で困らない
24時間の監視まで外に任せたい SentinelOne データお守り隊 SOCが24時間365日監視。PC1台 月1,000円〜

ESETとカスペルスキー以外の製品も含めて、横並びで比較して選びたい方は、法人向けセキュリティソフト7社一括比較もあわせてご覧ください。台数を入れると月額料金を試算できます。

いまのソフトから乗り換えるときの注意点は?

  1. 更新日の1〜2か月前に動く:新しい製品の評価版(どちらも30日無料)で、業務ソフトとの相性を先に確認します。
  2. 古いソフトを先にアンインストールする:2つのウイルス対策ソフトを同時に入れると、動作が不安定になります。
  3. 台数とスマホの数を数え直す:カスペルスキーはスマホの数でライセンス数が変わるため、見積り前に正確な台数が必要です。
  4. 乗り換え割引を確認する:カスペルスキーは他社の有償製品からの乗り換えで、更新価格相当に割り引かれるプログラムがあります。
  5. 管理画面の通知先を決める:どちらの製品も、検知の通知を誰が受け取り、誰が対応するかを決めておかないと効果が半減します。

▶ 関連記事:法人向けの無料セキュリティソフトは危険?「タダ」のリスクとなぜ有料が必要か

導入費用は補助金で抑えられる?

ESET PROTECT も Kaspersky Next も、デジタル化・AI導入補助金の対象となるITツールとして申請できる場合があります。
通常枠は補助率が原則1/2(小規模事業者は条件により最大4/5)、セキュリティ対策推進枠は5万〜150万円(小規模事業者2/3・中小企業1/2)で、サービス利用料は最大2年分が対象です。

補助金の申請には、SECURITY ACTION(セキュリティ対策自己宣言)の宣言IDとGビズIDが必要です。また、交付決定の前に発注・契約したものは対象外になります。要件は年度や公募回で変わるため、最新の公募要領の確認が必要です。当社は申請の支援も行っています。

▶ 関連記事:セキュリティ対策の費用は補助金で抑えられる?デジタル化・AI導入補助金2026の対象・補助率・申請の流れ

ESETとカスペルスキーに関するよくある質問

Q. 個人向けのESETやカスペルスキーを会社のPCに入れてもいいですか?

A. 個人向け製品は利用規約で家庭での利用を前提にしていることが多く、管理画面もないため、会社全体の状態を把握できません。
法人向け製品(ESET PROTECT/Kaspersky Next)を選んでください。

Q. どちらが動作が軽いですか?

A. 一般的にはESETのほうが軽いと言われ、古いPCや性能の低いPCが多い会社では体感の差が出やすいです。どちらも30日の無料評価版があるので、実際の業務PCで確かめるのが確実です。

Q. iPhoneを守りたい場合はどちらがいいですか?

A. ESET PROTECT はiPhoneについて端末管理はできますが、ウイルス対策の機能はありません。
iPhoneの保護や管理を重視するなら、Kaspersky Next か、MDM(端末管理ツール)との組み合わせを検討してください。

Q. カスペルスキーを使っていると、取引先に断られることはありますか?

A. 日本では使用禁止の措置は出ていませんが、官公庁・防衛・重要インフラ関連の取引先や、海外の親会社のルールで使用を避けるよう求められることがあります。
主要取引先の契約書やセキュリティチェックシートを先に確認してください。

Q. EDRは本当に必要ですか?

A. ウイルス対策ソフトは「入らせない」ための道具で、入られた後に何が起きたかは分かりません。
取引先への報告や原因調査が必要になったとき、EDRの記録がないと「分からない」としか答えられません。
Kaspersky Next なら一番下のプランから基本的なEDRが付きます。

Q. 途中でプランを上げることはできますか?

A. どちらも契約期間の途中で上位プランへの変更を相談できます。まずは必要な機能のプランで始め、スマホの台数やEDRの必要性が変わった時点で見直すのが無駄のない進め方です。

▶ 関連記事:ウイルスバスターとカスペルスキーは法人ならどっち?料金・EDR・スマホの数え方を台数別に比較

まとめ:性能はほぼ互角。「スマホの数」と「取引先への説明」で選ぶ

ESETとカスペルスキーは、第三者評価ではどちらも最高評価を受けており、ウイルスを防ぐ性能で差をつけるのは難しい製品です。
法人で選ぶときの分かれ目は、社用スマホを何台守るか、EDRをどの価格帯で入れたいか、そして取引先にロシア系の製品を説明できるかの3点です。
PC中心で取引先への説明を重視するならESET、スマホが多く予算内でEDRまで揃えたいならカスペルスキー、10台以下ならスモールオフィスセキュリティが、それぞれ有力です。
当社は両方の製品を取り扱っているため、どちらか一方に寄せることなく、台数とご予算に合わせたお見積りと補助金の活用までご提案できます。

この記事の対策に使える当社取扱製品

ESET PROTECT(料金・機能) Kaspersky Next(料金・機能)
カスペルスキー スモールオフィスセキュリティ(料金・機能) SentinelOne データお守り隊(料金・機能)
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