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ZTNA(脱VPN)の費用はいくら?人数別(10・30・50・100人)の料金試算|Sophos Workspace Protection・Harmony SASE・Microsoft Entra Private Access・VPN装置を比較【中小企業向け】

在宅勤務の社員がノートパソコンから会社のシステムに安全に接続しているイメージ

ZTNA(ゼロトラスト・ネットワーク・アクセス。社外から社内のシステムに入るとき、ネットワーク全体ではなく「許可されたアプリだけ」につなぐ仕組み)の費用は、1人あたり月750円〜3,000円前後が目安です。
ただし、製品によって「ZTNAだけ」なのか「Webの危険サイト対策やメール監視まで込み」なのかが違うため、単価を並べただけでは正しく比べられません。

この記事では、当社が取り扱うSophos Workspace Protection(ソフォス ワークスペース プロテクション)とCheck Point Harmony SASE(チェック・ポイント ハーモニー サシー)に、Microsoft Entra Private Access(マイクロソフト エントラ プライベート アクセス)と従来のVPN装置を加えた4つについて、従業員10名・30名・50名・100名でいくらかかるかを試算します。

この記事の要点

  • 年間費用だけで比べるとVPN装置が最安(Sophos Firewallで1人あたり月約160〜560円)。ただし、ランサムウェアの侵入経路の約9割がVPN機器などのリモートアクセス機器です(警察庁・令和7年)。
  • ZTNA単体で最も安いのはMicrosoft Entra Private Access(1人あたり月約750円)。ただしEntra ID P1が前提で、Microsoft 365 Business Premiumを使っている会社向けです。
  • Sophos Workspace Protectionは月約2,000〜2,800円/人と高めに見えますが、ZTNA・Webフィルタ・DNS保護・メール監視の4つが1ライセンスに入った価格です。
  • 「ZTNAだけ」の製品にWeb対策を別に足すと、Sophos Workspace Protectionとほぼ同じ金額になります。何がセットに入っているかを揃えて比べるのがポイントです。
  • VPN装置(Sophos FirewallなどのUTM機器)はデジタル化・AI導入補助金の対象外です。クラウド型のサービス利用料は対象になり得るので、組み合わせで負担を抑えます。

ZTNAの費用は、何で決まる?

ZTNAの費用を左右するのは、次の5つです。

費用の要素 内容 製品による違い
料金の数え方 1ユーザーごとの月額・年額が基本 人数が増えるほど単価が下がる製品が多い
セットに入る機能 ZTNAだけか、Web保護・DNS保護・メール監視まで含むか ここで単価が2〜3倍変わる
前提となるライセンス IdP(ログインの仕組み)や上位プランが必要か Entra Private AccessはEntra ID P1が必要
接続口(ゲートウェイ) 社内側に置く中継の仕組み 仮想マシンやファイアウォール上に置く製品もある
導入・設定費 アプリの登録、ポリシー作成、テスト 製品と社内システムの数で変動(見積り)

見落としやすいのは「導入・設定費」です。ZTNAはアプリごとに「誰がどこへつないでよいか」を登録するので、社内システムが多いほど初期の設定に時間がかかります。
海外の比較サイトでも、本番運用のために専門サービスの購入が事実上必要になる製品があると指摘されています。見積りではライセンス代と導入費を分けて出してもらいましょう。

▶ 関連記事:法人向けリモートアクセスVPNの選び方|方式の違い・比較と『脱VPN』ゼロトラスト・SASEへの移行

4つの選択肢は、何が違う?

VPN装置・ZTNA・費用比較を並べた図
項目 Sophos Workspace Protection Check Point Harmony SASE Microsoft Entra Private Access VPN装置(Sophos Firewall)
方式 ZTNA+保護ブラウザ ZTNA+クラウド型Web保護(SASE) ZTNA リモートアクセスVPN
社内アプリへの接続 許可したアプリだけ 許可したアプリだけ 許可したアプリだけ ネットワーク全体に入れる
社外でのWeb保護 〇(SWG・DNS保護) 〇(Internet Access) ×(別製品) ×(社外PCは対象外)
メールの脅威監視 〇(Email Monitoring System) ×(別製品) × ×
料金の目安(1人・月) 約2,000〜2,800円 要見積り 約750円(Entra ID P1が別途前提) 約160〜560円(機器+ライセンスを5年で割った場合)
最低契約 1ユーザー〜(9名以下は単価が高い) 要見積り 1ユーザー〜 機器1台
補助金 対象になり得る(サービス利用料) 対象になり得る(サービス利用料) Microsoft製品として要確認 対象外(UTM機器)
詳細 詳細を見る 詳細を見る Microsoftで契約 詳細を見る

比較して選びたい方は、ほかの製品も含めた法人向けセキュリティソフト7社一括比較もあわせてご覧ください。

従業員10・30・50・100名だと、年間いくら?

ライセンス代(税別)を年額で試算しました。
Microsoft Entra Private Accessは1ドル150円で換算しています。
VPN装置は、本体代と5年分のStandardライセンスを足して5で割った「1年あたり」の金額です。

従業員数 Sophos Workspace Protection Microsoft Entra Private Access Check Point Harmony SASE(参考) VPN装置(Sophos Firewall)
10名 322,500円
(月2,688円/人)
90,000円
(月750円/人)
約18万〜36万円 66,880円
(XGS 107)
30名 883,860円
(月2,455円/人)
270,000円 約54万〜108万円 97,880円
(XGS 116)
50名 1,378,700円
(月2,298円/人)
450,000円 約90万〜180万円 134,300円
(XGS 126)
100名 2,449,100円
(月2,041円/人)
900,000円 約180万〜360万円 195,680円
(XGS 136)

Check Point Harmony SASEは日本円の価格が公開されていない見積り制です。表の金額は、海外の比較サイトに掲載された1ユーザー月10〜20ドルを1ドル150円で換算した参考値で、当社の価格ではありません。
Microsoft Entra Private Accessの月5ドルも、Microsoftの価格ページや第三者サイトで確認できる年払いの単価です。為替と契約形態で変わるため、正式な金額は見積りで確認してください。

いちばん安いVPN装置を選べば、それで済む?

費用だけならVPN装置が圧倒的に安く見えます。しかし、警察庁の「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」では、ランサムウェアの感染経路が分かった92件のうち、VPN機器が61件(66.3%)、リモートデスクトップが19件(20.7%)でした。
リモートアクセス機器を入口にした被害が合わせて87.0%を占めます。

VPN装置はインターネットに向けて「入口」を開けておく仕組みなので、機器の脆弱性が公表されるたびに、すぐに修正を当てる必要があります。
さらに、一度入られるとネットワーク全体に入れてしまうため、被害が社内に広がりやすい構造です。安さの裏にある「更新を続ける手間」と「入られたときの被害の大きさ」まで含めて判断してください。

▶ 関連記事:Sophos Firewall(XGS)の価格はいくら?機種別の本体・ライセンス料金と従業員10・30・50・100名の5年費用試算

脱VPNの費用を相談する

「ZTNAだけ」と「全部入り」は、どう比べればいい?

Sophos Workspace Protectionの単価が高く見えるのは、ZTNAに加えてWebフィルタ(SWG)・DNS保護・メール監視が1つのライセンスに入っているからです。
ZTNAだけの製品を選んで、社外で使うパソコンのWeb保護を別に足すと、次のようになります。

組み合わせ(30名・1年) ZTNA 社外PCのWeb保護 合計
Sophos Workspace Protection 込み 込み 883,860円
Entra Private Access+Webセキュリティ Plus 270,000円 568,800円+初期60,000円 898,800円(初年度)
VPN装置+Webセキュリティ Plus 97,880円(VPN) 568,800円+初期60,000円 726,680円(初年度)

ZTNAとWeb保護を揃えると、Sophos Workspace ProtectionとEntra Private Access+Webセキュリティ Plusはほぼ同じ金額になります。
違いは、Sophosが1つの管理画面(Sophos Central)で済むこと、Webセキュリティ Plusには簡易サイバー保険と駆けつけ対応が付いていることです。

Webセキュリティ Plusは、Check Point Harmony SASEのWeb保護(Internet Access)に日本語サポートと保険を付けたサービスで、1台月1,580円・初期費用60,000円です。
社内アプリへのZTNA(Private Access)は含まれないため、脱VPNまで進めるならHarmony SASEのPrivate Accessを追加で見積もります。

▶ 関連記事:Webフィルタリングソフト比較|法人向けおすすめ製品と選び方・料金相場

それぞれ、どんな会社に向いている?

こんな会社 おすすめ 理由
Microsoft 365 Business Premiumを使っている Microsoft Entra Private Access Entra ID P1が含まれるので追加はZTNA分だけ。サインイン設定も既存のまま使える
社外でのWeb閲覧やメールの脅威もまとめて守りたい Sophos Workspace Protection ZTNA・Web保護・DNS保護・メール監視を1ライセンスで管理できる
Sophos FirewallやSophos Endpointをすでに使っている Sophos Workspace Protection Sophos Centralで一元管理でき、感染端末の自動隔離とも連携する
拠点が多く、拠点間のVPNも置き換えたい Check Point Harmony SASE 拠点間の接続もZTNAで置き換えられ、世界80以上の拠点で通信を処理する
まずWeb対策だけ、補助金も使って始めたい Webセキュリティ Plus 1台月1,580円・保険と駆けつけ付き・サイバーセキュリティお助け隊サービス
社内システムがほとんどクラウドにある まずはIdPとMFAの整備 社内に守るサーバーが少なければ、ZTNAより先にログインの強化が効く

▶ 関連記事:多要素認証(MFA)の費用はいくら?人数別(10・30・50・100人)の料金試算

VPNからZTNAへは、どう移ればいい?

一度に全部を切り替える必要はありません。多くの会社は、次の順番で段階的に移行します。

  1. 社外からつないでいるシステムを書き出す(ファイルサーバー、会計、勤怠、社内Webシステムなど。費用0円)
  2. ログインの仕組み(IdP)と多要素認証を整える(Microsoft Entra IDやGoogle Workspaceなど)
  3. 利用者の少ないアプリから1つずつZTNAに移す(試験導入。VPNはまだ残す)
  4. 全員がZTNAでつなげることを確認してから、VPNの入口を閉じる
  5. VPN装置は社内ネットワークの出入口を守るファイアウォールとして使い続けるか、更新時期に見直す

国内の解説記事でも、試験導入の環境づくりに時間と費用がかかる点と、VPNからの段階的な移行計画が必要な点が指摘されています。
VPNとZTNAを並行して動かす期間は両方の費用がかかるので、その期間を予算に入れておきましょう。

▶ 関連記事:ゼロトラストとは?

補助金で費用を抑えられる?

デジタル化・AI導入補助金では、クラウド型のサービス利用料が対象になり得ます。
セキュリティ対策推進枠は5万〜150万円で、補助率は小規模事業者2/3・中小企業1/2、サービス利用料は最大2年分です。Webセキュリティ Plusはサイバーセキュリティお助け隊サービスとして登録されています。

一方、VPN装置やUTM機器(Sophos Firewallの本体・ライセンス)は補助金の対象外です。補助金対象として登録されたUTMサービスも一部ありますが、当社では取り扱っていないため、機器の費用は全額自社負担で試算しています。
端末側やクラウド型のサービスで補助金を使い、全体の負担を抑える組み合わせを考えましょう。申請にはSECURITY ACTIONの宣言とGビズIDが必要で、交付決定前に発注したものは対象外です。要件は公募回ごとに変わるため、公募要領の確認と専門家への相談をおすすめします。

▶ 関連記事:セキュリティ対策の費用は補助金で抑えられる?デジタル化・AI導入補助金2026の対象・補助率・申請の流れ

よくある質問

Q. 従業員10名程度でも、VPNをやめてZTNAにするべきですか?

A. 社外から社内のサーバーにつなぐ人がいるなら、検討する価値があります。人数が少なくても、VPN機器の脆弱性を狙う攻撃は規模を選びません。
ただし、社内にサーバーがほとんどなくクラウドサービス中心なら、まずは多要素認証の整備を優先するほうが効果的です。

Q. ZTNAを入れたら、VPN装置は捨ててよいですか?

A. VPNの入口を閉じても、装置そのものは社内ネットワークの出入口を守るファイアウォールとして使えます。
リモートアクセス機能だけを止め、インターネットからの入口を減らすのが一般的な使い方です。

Q. Sophos Workspace Protectionは9名以下だと割高ですか?

A. 9名以下は1ユーザー年34,040円で、10名以上(年32,250円)より高い単価です。
9名の会社なら、10名分を契約したほうが総額が近くなる場合もあるので、見積りで両方を比べてください。

Q. Microsoft 365 Business Standardを使っていますが、Entra Private Accessは使えますか?

A. Entra Private AccessはEntra ID P1以上が前提です。Business StandardにはP1が含まれないため、P1を追加するか、Business Premiumへの切り替えを検討します。
その追加費用まで含めて比べると、Sophos Workspace Protectionのほうが有利になる場合があります。

Q. 在宅勤務の社員が私物のパソコンを使っています。ZTNAで守れますか?

A. Sophos Workspace Protectionは保護ブラウザから、Harmony SASEはエージェントなし(ブラウザ経由)でも社内のWebシステムやリモートデスクトップにつなげます。
私物端末の中にデータを残しにくい使い方ができますが、どこまで許可するかは社内ルールとあわせて決めてください。

Q. ZTNAを導入するのに、どのくらいの期間がかかりますか?

A. 社外からつなぐシステムが数個なら、試験導入から本番まで1〜2か月程度が目安です。
システムの数と、ログインの仕組み(IdP)が整っているかで大きく変わります。

まとめ:ZTNAは「何が入っているか」を揃えて比べる

ZTNAの費用は、ZTNAだけなら1人あたり月750円前後、Web保護やメール監視まで含むと月2,000〜3,000円前後が目安です。
VPN装置は最も安く見えますが、ランサムウェアの侵入経路の約9割がリモートアクセス機器という現状を踏まえると、入口を開けておくこと自体のリスクを考える必要があります。
Microsoft 365 Business Premiumを使っているならEntra Private Access、Web保護やメール監視までまとめて管理したいならSophos Workspace Protection、拠点が多いならHarmony SASEが候補です。
VPNからは段階的に移れるので、まずは社外からつないでいるシステムを書き出すところから始めてください。

この記事の対策に使える当社取扱製品

Sophos Workspace Protection(料金・機能) Check Point Harmony SASE(料金・機能)
Webセキュリティ Plus(料金・機能) Sophos Firewall(料金・機能)
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