• ホーム
  • Windows 10のESU(延長サポート)1年目が2026年10月13日に終了|法人向けの費用・「無料延長」の誤解・Windows 11移行と補助金【中小企業向け】

Windows 10のESU(延長サポート)1年目が2026年10月13日に終了|法人向けの費用・「無料延長」の誤解・Windows 11移行と補助金【中小企業向け】

Windows 10のサポート終了とESU(延長セキュリティ更新)からWindows 11移行までの流れ

結論から申し上げます。まだ社内にWindows 10のパソコンが残っている会社は、2026年10月13日までに「有償のESU(延長セキュリティ更新)を買い足すか、Windows 11へ移行するか」を決める必要があります。
Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了しており、いま更新プログラムが届いているのは、法人向けの有償ESUを契約している場合だけです。その1年目が2026年10月13日に切れます。

さらにやっかいなのが、2026年6月に報じられた「Windows 10のESUが無料で1年延長」というニュースは、個人向けだけの話で、会社のパソコンには適用されないという点です。ここを取り違えると、気づかないうちに全社のパソコンが更新の届かない状態になります。

本記事では、中小企業の経営者・情シス担当の方に向けて、法人向けESUの費用と期限、「2年目だけ買う」ことができるのかというルール、同じ日にサポートが終わるOffice 2021の話、そして買い替えとどちらが得なのかを、金額を出しながら整理します。あわせて、移行が終わるまでの間をどう守るか、補助金でどこまで抑えられるかもご説明します。

Windows 10はいま、どういう状態になっている?

「もう周りはWindows 11に移っているだろう」と思われるかもしれませんが、実際はそうでもありません。2026年5月時点でも、世界のWindows端末のおよそ4台に1台(約26%)がまだWindows 10です。2025年6月の約48%からは減っているものの、移行が想定より進んでいないのが実情です。

「サポートが終わった」と一口に言っても、実際には複数の期限が絡み合っています。まず全体像を押さえてください。

対象 期限 その後どうなるか
Windows 10 本体のサポート 2025年10月14日 終了済み。無償の更新プログラムは配信されない
法人向け(商用)ESU 1年目 2026年10月13日 ここで切れる。2年目を買うか移行するかの判断が必要
法人向け(商用)ESU 2年目 2027年10月ごろ 費用は1年目の2倍
法人向け(商用)ESU 3年目(最終) 2028年10月ごろ ここで完全に終了。以降の延命手段はない
個人向けESU(無償延長あり) 2027年10月12日 1年延長された。ただし業務用パソコンは対象外
Office 2021 2026年10月13日 ESUの仕組みそのものがない。延長不可
Microsoft 365 Apps(Windows 10上) 2028年10月10日 それまではセキュリティ更新のみ提供

つまり、2026年10月13日は「Windows 10のESU 1年目」と「Office 2021」が同時に切れる日です。パソコンとOfficeの両方の判断が、この一日に集まっていることになります。

▶ 関連記事:社内の古いPCがサイバー攻撃の入り口になる理由

「ESUが無料で1年延長」のニュースは、会社のパソコンにも当てはまる?

答えはいいえです。ここが今いちばん誤解されているところなので、最初に整理します。

2026年6月に報じられた「Windows 10のESUを2027年10月12日まで1年間、無償で延長する」という発表は、個人向け(コンシューマー向け)のESUに限った話です。会社が業務で使うパソコンに適用される法人向け(商用)ESUは、この延長の対象になっていません。

項目 個人向けESU 法人向け(商用)ESU
対象 個人・家庭のWindows 10 Home等 会社・団体が業務で使う端末
費用 条件を満たせば無償(有償の場合は日本で3,500円程度) 1台あたり年額の有償サブスクリプション
2026年6月の1年延長 対象(2027年10月12日まで) 対象外
入手方法 Windowsの設定画面から申し込み ボリュームライセンス(販売パートナー経由)
提供される期間 最長2027年10月まで 最長3年(2028年10月ごろまで)
無償化の条件 設定の同期を有効にする/ポイント利用/有償 無償の枠組みはない

やってしまいがちな失敗:「ニュースで無料延長と言っていたから、うちの会社も2027年まで大丈夫」と考えて放置してしまうパターンです。
また、個人向けの手順で業務用パソコンにESUを適用しようとするのも避けてください。ライセンスの使い方として適切ではなく、更新が届いているつもりで届いていない、という最悪の状態になりかねません。会社のパソコンは、必ず法人向けの枠組みで判断してください。

技術的にも、そもそも個人向けの手順は業務環境では通りにくくなっています。個人向けESUの申し込みには個人用のマイクロソフトアカウントでのサインインが必要で、社内のActive Directory(ドメイン)に参加しているパソコンでは、そもそも申し込みの画面が出てこないことがあります。「試してみたが登録できなかった」という場合は、この理由であることが多いです。

法人向けESUはいくらかかる?

法人向けのESUは、1台あたり年額のサブスクリプションです。マイクロソフトのボリュームライセンス経由で購入します。特徴的なのは、1年ごとに価格が倍になっていくという設計です。

年次 おおよその対象期間 1台あたりの価格 累計(1台あたり)
1年目 2025年11月〜2026年10月13日 61米ドル(約9,200円) 約9,200円
2年目 2026年10月〜2027年10月 122米ドル(約18,300円) 約27,500円
3年目 2027年10月〜2028年10月 244米ドル(約36,600円) 約64,100円

※円換算は1米ドル=150円で計算した目安です。実際の価格は為替、購入するライセンス形態、販売パートナーによって変わります。税別表記です。正確な金額は見積りでご確認ください。

最低購入数は1ライセンスからで、「5台以上まとめて」といった縛りはありません。ただし購入は年単位で、「6か月だけ」といった買い方はできません。

この価格設計は、あえて年々高くしていくことで「早くWindows 11に移ってください」というメッセージを出しているものと考えるのが自然です。3年フルで延命すると1台あたり約6万4千円かかり、これは業務用ノートパソコン1台の価格の半分程度に達します。

法人向けESUはどこで買える?

個人向けのように、パソコンの設定画面から申し込むことはできません。法人向けESUは、マイクロソフトのボリュームライセンス、またはCSP(クラウドソリューションプロバイダー)と呼ばれる販売パートナー経由で購入します。普段パソコンやライセンスを購入している取引先に相談するのが最短です。

購入後は、発行されるライセンス認証キーを対象のパソコンに適用する作業が必要になります。台数が多い場合はこの適用作業もそれなりの工数になるため、期限ぎりぎりではなく、余裕をもって手配してください。

▶ 関連記事:法人向けセキュリティソフトの料金・月額相場はいくら?費用の内訳と補助金で抑える方法【2026年版】

「2年目だけ買う」ことはできる?

できません。ここは見落とされやすい重要なルールです。

ESUは累積方式で、2年目から購入する場合は、1年目分もあわせて支払う必要があります。つまり「1年目は様子見でスキップして、2年目から必要な分だけ買う」という節約はできない仕組みです。

たとえば2026年10月から初めてESUを買おうとすると、1年目の61ドルと2年目の122ドルの合計183ドル(1台あたり約27,500円)を負担することになります。「あとから追いつく」ほど割高になるため、Windows 10を残すのであれば早い段階で契約し、残さないのであれば早く移行を終わらせるのが、どちらの方向でも合理的です。

あわせて注意したいのが前提条件です。ESUを適用できるのはWindows 10 バージョン22H2の端末に限られます。それより古いバージョンのまま止まっている端末は、まず22H2に上げないとESUを入れても更新が届きません。

ESUは何をしてくれて、何をしてくれない?

「お金を払えば今までどおり」と考えていると危険です。ESUで提供されるのは、あくまでセキュリティ更新プログラムだけです。

区分 内容
提供されるもの 「緊急」および「重要」と評価されたセキュリティ更新プログラム
提供されないもの 新機能の追加
提供されないもの セキュリティ以外の品質更新・不具合修正
提供されないもの 仕様変更の要望対応
提供されないもの Windows 10そのものの一般的なテクニカルサポート

テクニカルサポートは含まれません。ESU自体のライセンス認証やインストールでつまずいた場合の支援はありますが、その利用にも別途のサポート契約が必要になります。

もうひとつ現実的な問題として、周辺のソフトや機器がWindows 10を切っていくという点があります。ESUでWindows本体の穴はふさげても、業務ソフト、プリンタや複合機のドライバー、セキュリティソフトが順次Windows 10対応を終了していけば、業務は止まります。ESUは「時間を買う仕組み」であって、「現状維持を続けられる仕組み」ではありません。

▶ 関連記事:Windows Updateを放置していませんか?パッチ管理の重要性

Windows 10の期限・ESU費用が年々倍増する仕組み・Windows 11移行という3つの選択肢

追加費用なしでESUが使えるケースはある?

あります。仮想デスクトップやクラウド上でWindows 10を動かしている場合、ESUが追加費用なしで付いてくるケースがあります。

環境 ESUの扱い
Windows 365(クラウドPC) 追加費用なしでESUを利用可能
Azure Virtual Desktop 追加費用なしでESUを利用可能
Azureの仮想マシン・専用ホスト 追加費用なしでESUを利用可能
Azure Local/Azure Stack 系 追加費用なしでESUを利用可能
Windows 365に接続する手元のWindows 10端末 有効なWindows 365ライセンスがあれば、最長3年間ESUの権利が付与される

最後の行は、中小企業にとって現実的な逃げ道になり得ます。手元の古いパソコンをそのまま「クラウドPCへの入口」として使い、実際の業務はクラウド上のWindows 11で行うという形にすれば、端末の買い替えを急がずに済むケースがあります。ただしクラウドPCの月額費用がかかるため、単純な買い替えとどちらが安いかは台数と用途しだいです。

Office 2021も同じ日に終わる?

はい。Office 2021(買い切り版)のサポートは2026年10月13日に終了します。しかもWindows 10と違い、Officeには延長のためのESUという仕組みがそもそもありません。この日を過ぎたら、脆弱性が見つかっても修正プログラムは出ません。

一方で、サブスクリプション版のMicrosoft 365 Apps は扱いが異なります。Windows 10上で動かしている場合でも、2028年10月10日まではセキュリティ更新が提供されます(新機能の追加は行われません)。

つまり2026年10月13日は、多くの中小企業にとって「Windows 10のESU1年目」と「Office 2021」がまとめて切れる日になります。パソコンとOfficeを別々に検討していると、片方だけ対応して安心してしまいがちです。端末の棚卸しをするときは、必ずOfficeのバージョンも一緒に洗い出してください。

ESUの2年目を買うのと、パソコンを買い替えるのはどちらが得?

1台あたりの費用で並べると、判断しやすくなります。業務用のWindows 11パソコンは、一般的に1台あたり10万〜15万円程度が目安です。

項目 2年目まで延命 3年フルで延命 Windows 11 PCに買い替え
1台あたりの追加費用 約18,300円 約54,900円 約10万〜15万円
1年目からの累計 約27,500円 約64,100円 約10万〜15万円
使える期間 約2年(2027年10月まで) 約3年(2028年10月まで) おおむね5年前後
1年あたりに直すと 約13,800円 約21,400円 約2万〜3万円
得られるもの セキュリティ更新のみ セキュリティ更新のみ 更新+性能向上+新しい保証
周辺ソフトの対応 順次切られていくリスクあり 年を追うごとに厳しくなる 問題なし
向いている会社 特定の業務ソフトの都合で今すぐ動かせない 基本的に非推奨 大半の中小企業

※「1年目からの累計」は、1年目(約9,200円)を含めた1台あたりの総額です。1年目を契約していない会社が2年目から入る場合は、前述のさかのぼり支払いにより、この累計額をまとめて負担することになります。

1年あたりのコストで見ると、3年フルで延命する費用(年約21,400円)は、買い替えを5年で償却したときの費用(年約2万〜3万円)とほとんど変わりません。しかもESUで得られるのはセキュリティ更新だけで、パソコン自体は古いままです。動作は遅く、故障のリスクも上がり、周辺ソフトの対応も先細りしていきます。

したがって原則は「Windows 11へ移行する」で、ESUは移行が物理的に間に合わない台数分を、期間限定でつなぐための保険と位置づけるのが現実的です。とくに「特定の業務ソフトがWindows 11で動作確認されていない」「工作機械や測定器の制御用パソコンで動かせない」といった事情がある場合に、ESUの出番があります。

「あと1年待てば安く買えるのでは」は成り立つ?

2026年時点では、むしろ逆になる可能性が高いと考えてください。

AI用サーバーの需要が世界的に膨らんだ影響で、メモリ(DRAM)とSSDの価格が歴史的な高値になっており、その分パソコン本体の価格も上がっています。業界の見通しでは、供給の逼迫が解消に向かうのは早くても2026年後半以降とされ、2027年以降までずれ込むという見方もあります。

つまり「ESUで1年しのいで、来年安くなってから買う」という作戦は、価格面でも納期面でも裏目に出るおそれがあります。実務上は、必要な台数を早めに確定させ、見積りと納期を先に押さえておくことをおすすめします。とくに年度末(1〜3月)は法人向けパソコンの需要が集中し、納期がさらに延びやすい時期です。

▶ 関連記事:中小企業が実施するべきセキュリティ対策とは?

Windows 11に上げられるパソコンかどうかは、どう見分ける?

買い替えるか、いまのパソコンをアップグレードするかを決めるには、まず要件を満たしているかを確認します。Windows 11の主なシステム要件は次のとおりです。

項目 必要な条件
CPU 1GHz以上・2コア以上の64ビット対応プロセッサで、かつマイクロソフトの対応リストに載っているもの
メモリ 4GB以上(実務では8GB以上を推奨)
ストレージ 64GB以上
セキュリティチップ TPM 2.0
起動方式 UEFI・セキュアブート対応

実務上いちばん引っかかるのがCPUの対応リストとTPM 2.0です。おおよその目安として、2018年より前に購入したパソコンは要件を満たさないことが多いと考えてください。逆に、それ以降の機種であれば、設定でTPMやセキュアブートを有効にするだけでアップグレードできる場合があります。

なお、要件を満たさない端末に無理やりWindows 11を入れる方法が出回っていますが、業務用パソコンでは避けてください。更新プログラムが届かなくなる可能性があり、不具合が起きても正規のサポートを受けられません。ESUを買って正規に延命するほうが、はるかに安全です。

まず何から始めればいい?

最初にやるべきことは、費用の比較でも製品選定でもありません。「社内に、どのOSのパソコンが、何台あるのか」を正確に把握することです。

中小企業の現場では、「Windows 10はもう2〜3台のはず」と思っていたら、倉庫や現場、受付、経理の専用端末まで含めて10台以上残っていた、というケースが珍しくありません。台数が違えば、ESUを買うべきか買い替えるべきかという結論そのものが変わります。

棚卸しで確認しておきたいのは、次の項目です。

  • OSの種類とバージョン(Windows 10なら22H2かどうかまで)
  • Officeのバージョン(Office 2021が混ざっていないか)
  • CPU・メモリ・TPMの有無(Windows 11に上げられるか)
  • そのパソコンで動かしている業務ソフトと、そのWindows 11対応状況
  • 誰がどこで使っているか(現場・倉庫・在宅などの見落としやすい端末を含む)

この棚卸しをExcelの手作業でやると、台数が増えるほど抜け漏れが出ます。IT資産管理ツールを入れると、社内のパソコンのOSバージョンやソフトの導入状況が自動で一覧になるため、移行計画づくりが一気に楽になります。

棚卸しと移行管理に使えるツールは?

アーデントで取り扱っている国産のIT資産管理ツールを2つ挙げます。どちらもクラウド型で、社内にサーバーを立てる必要はありません。

項目 LANSCOPE エンドポイントマネージャー ISM CloudOne
提供元 エムオーテックス クオリティソフト
できること ハードウェア・ソフトウェア情報の自動収集、操作ログ、USB制御、Windows Update管理 資産管理、自動脆弱性診断、操作ログ、外部デバイス制御、シャドーIT検知
OS棚卸しへの適性 OS・バージョン・導入ソフトを一覧化でき、移行対象の抽出に使える 同様に一覧化でき、更新が当たっていない端末も把握できる
対応OS Windows/Mac/iOS/Android Windows/Mac/iOS/Android
初期費用(税別) 30,000円/契約 30,000円
月額の目安(税別) 1台あたり500円〜 1台あたり360〜600円(規模により変動)
詳細 詳細を見る 詳細を見る

※料金は改定される場合があります。最新の金額と、自社の台数での見積りはお問い合わせください。

▶ 関連記事:IT資産管理ツールの比較|法人向けおすすめ製品と費用相場・クラウド型の選び方【中小企業向け】

▶ 関連記事:LANSCOPE vs ISM CloudOne 徹底比較|国産クラウド型IT資産管理2大製品の機能・料金・選び方

移行が終わるまでの間、どうやって守る?

全台数を一斉に入れ替えられる会社はほとんどありません。多くの場合、数か月から1年かけて段階的に移行することになります。その間に残るWindows 10端末は、社内でいちばん狙われやすい場所になります。

狙われる理由はシンプルで、攻撃側から見ると「更新が止まっている端末は、公開済みの脆弱性がそのまま使える」からです。しかも、その1台を入口にして社内の他の端末やサーバーへ広がっていきます。

現実的な打ち手は次の3つです。

  • ネットワーク上で分けて隔離する:残っているWindows 10端末を業務ネットワークの本流から切り離し、必要な通信だけを許可する。
  • EDR(侵入後に気づける仕組み)を入れる:更新で穴をふさげない以上、「入られたことに早く気づいて止める」側に投資する。
  • 監視を外部に任せる:情シスが1〜2名の会社では、夜間・休日のアラート対応まで手が回らない。SOC付きのサービスを使う。

アーデントが取り扱っている、この用途に向くサービスを比較します。

項目 SentinelOne データお守り隊 セキュリティお助けパック(バリオセキュア) Microsoft Defender for Business
守る範囲 パソコン・サーバー(EPP+EDR) 社内ネットワークの出入口と端末 パソコン・サーバー(EPP+EDR)
24時間365日の監視 AIによる監視+専門SOCチーム AIによる監視+専門SOCチーム 自社で運用(監視は含まない)
感染時の自動復旧 ワンクリックで改ざんファイルを復元 ワンクリックで改ざんファイルを復元 自動調査・修復(AIR)
初期費用(税別) 0円 ネットワーク型60,000円/端末型なし 0円
月額の目安(税別) 1台1,000円〜(上位1,100円・1,660円) ネットワーク9,800円/端末1台1,400円 M365 Business Premiumに同梱(追加0円)
サイバー保険 最大50万円まで付帯 最大100万円まで付帯 なし
向いている会社 まず端末の防御を厚くしたい 出入口ごとまとめて任せたい すでにM365 Business Premiumを契約済み
詳細 詳細を見る 詳細を見る Microsoft 365で完結

すでにMicrosoft 365 Business Premiumを契約している会社であれば、Defender for Businessが追加費用なしで使えます。「移行までのつなぎに追加予算を取れない」という場合は、まずここを有効にするのが最も費用対効果の高い一手です。

▶ 関連記事:Microsoft Defender for Business 完全ガイド|M365 Business Premium で『追加コストなし』のEDRをどこまで使えるか

▶ 関連記事:セキュリティ運用は外部に任せられる?MSS・SOC・MDRの違いと費用相場・選び方【中小企業向け】

▶ 関連記事:エンドポイントセキュリティの費用はいくら?EPP・EDR・MDRの料金相場と補助金で抑える方法

費用は補助金で抑えられる?

セキュリティ対策やクラウドサービスの導入費用については、デジタル化・AI導入補助金2026(旧・IT導入補助金)を活用できる可能性があります。

とくにセキュリティ面では、セキュリティ対策推進枠が用意されています。

項目 内容
補助額 5万円〜150万円
補助率 小規模事業者は2/3以内、中小企業は1/2以内
補助対象 サービス利用料(最大2年分)
対象となるサービス IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載され、かつIT導入支援事業者が提供・登録したサービスに限られる
申請の前提 交付申請までにSECURITY ACTIONの自己宣言IDを取得しておく必要がある

注意点が2つあります。
1つめは、パソコン本体などのハードウェアが補助対象になるかどうかは、枠と年度によって扱いが変わることです。「Windows 11パソコンの購入費が必ず補助される」とは限らないため、必ず最新の公募要領を確認してください。
2つめは、締切に間に合わせる逆算が必要なことです。SECURITY ACTIONの宣言IDの取得、IT導入支援事業者との申請準備には時間がかかります。2026年10月13日という期限から逆算すると、動き出しは早いほど有利です。

補助率・対象要件・締切は年度ごとに変わります。実際の申請にあたっては公募要領をご確認のうえ、判断に迷う点は支援事業者や専門家にご相談ください。アーデントはデジタル化・AI導入補助金の支援事業者として、要件の確認から申請までお手伝いしています。

▶ 関連記事:セキュリティ対策の費用は補助金で抑えられる?デジタル化・AI導入補助金2026の対象・補助率・申請の流れ【中小企業向け】

▶ 関連記事:SECURITY ACTION(セキュリティ対策自己宣言)とは?一つ星・二つ星の違いと宣言のやり方・デジタル化・AI導入補助金の申請要件【2026年版】

どう進めればいい?失敗しない5ステップ

  1. 棚卸しをする。社内の全パソコンについて、OSのバージョン、Officeのバージョン、CPU・メモリ・TPMの有無を一覧にする。倉庫・現場・在宅の端末を忘れない。
  2. 3つに仕分ける。「そのままWindows 11に上げられる端末」「買い替えが必要な端末」「業務ソフトの都合で当面動かせない端末」に分類する。
  3. 動かせない端末だけESUを手当てする。台数が確定したら、2026年10月13日までにボリュームライセンスで手配する。あわせて、その端末をネットワーク上で隔離する。
  4. 移行の順番を決める。外部とのやり取りが多い端末、機密情報を扱う端末から優先する。業務ソフトのWindows 11対応はベンダーに事前確認する。
  5. 移行が終わるまでの防御を固める。EDRの導入と、夜間・休日を含む監視体制を用意する。補助金が使えるかを同時に確認する。

とくに2番の仕分けを飛ばして、いきなり見積りを取ろうとすると失敗します。台数と条件が確定していないと、ESUの必要数も買い替え台数も決まらず、比較のしようがないためです。

よくある質問(Q&A)

Q. Windows 10のパソコンは、10月13日を過ぎたら動かなくなりますか?

A. いいえ、パソコン自体は今までどおり起動しますし、業務にも使えます。止まるのは「セキュリティ更新プログラムの配信」だけです。
ただし、更新が止まった端末は、新しく見つかった弱点がふさがれないまま放置されることになります。攻撃する側は公開された弱点の情報を見て狙ってくるため、時間が経つほど危険度が上がっていきます。「動くから大丈夫」ではなく「動くけれど守られていない」状態だとお考えください。

Q. 個人向けESUの無料延長を、会社のパソコンに使ってもいいですか?

A. おすすめしません。個人向けESUは個人・家庭での利用を前提とした枠組みで、業務用パソコンに適用される法人向けESUとは別の契約です。
ライセンスの使い方として適切でないうえ、「更新が届いているつもりで実は届いていない」という状態になるリスクがあります。会社の端末は必ず法人向けの枠組みで判断してください。

Q. 1台だけ古い機械の制御用にWindows 10が残ります。それでもESUを買えますか?

A. 買えます。法人向けESUの最低購入数は1ライセンスです。
ただし、こうした制御用端末は「インターネットにつながず、ネットワークからも分離する」ほうが、費用も安く安全なことが多くあります。USBメモリ経由の感染だけ気をつければよい状態にできないか、まず検討してみてください。

Q. Windows 11に上げたら、いまの業務ソフトは動きますか?

A. 多くのソフトは動きますが、確認は必須です。とくに会計・給与・販売管理などの業務ソフトや、機械・測定器に付属する専用ソフトは、メーカーがWindows 11対応を明言しているかを事前に確認してください。
ここで「対応していない」ことが判明した端末が、まさにESUで時間を稼ぐべき対象になります。

Q. 情シス担当がいなくても移行できますか?

A. できます。実際、中小企業では総務や経理の方が兼任しているケースがほとんどです。
ポイントは、棚卸しをツールで自動化すること、そして移行が終わるまでの監視をSOC付きのサービスに任せることです。人手をかけずに進める方法があります。

Q. 買い替えたいのですが、パソコンが値上がりしていて予算が足りません。

A. メモリとSSDの高騰でパソコン価格が上がっているのは事実で、多くの中小企業が同じ悩みを抱えています。現実的な打ち手は3つあります。
1つめは、全台一斉ではなく優先順位をつけて分割で入れ替えること。外部とやり取りする端末、機密情報を扱う端末から先に替え、残りはESUと隔離でつなぎます。
2つめは、補助金を使うこと。ソフトウェアやクラウドサービスの導入費用は補助対象になり得ます。
3つめは、クラウドPC(Windows 365)を検討すること。手元の古いパソコンを入口として使い続けられるうえ、初期費用を抑えられる場合があります。

Q. まだ何も手をつけていません。いまからでも間に合いますか?

A. 棚卸しと仕分けだけなら、数日から2週間程度で終わります。まずそこまで進めてください。
ESUの手配や補助金の申請には準備期間が必要なので、台数が確定した時点で早めに動き出すことをおすすめします。

まとめ

Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了し、有償の法人向けESUで延命している場合も、その1年目が2026年10月13日で切れます。
2026年6月に発表された「1年間の無償延長」は個人向けだけの話で、会社のパソコンには適用されません。ここを取り違えないことが、まず何より大切です。
法人向けESUは1台あたり1年目61米ドル、2年目122米ドル、3年目244米ドルと毎年倍になり、3年フルで延命すると約6万4千円かかります。
しかも2年目から買う場合は1年目分もさかのぼって支払う必要があり、後から追いつくほど割高になります。
1年あたりのコストで比べると、3年延命するのと新しいパソコンを5年使うのとでは、ほとんど差がありません。原則は移行、ESUは業務ソフトの都合でどうしても動かせない台数分をつなぐ保険と考えるのが現実的です。
同じ2026年10月13日にはOffice 2021のサポートも終わります。こちらは延長の仕組みがないため、棚卸しの際はOfficeのバージョンも必ず一緒に確認してください。
まず着手すべきは、費用比較でも製品選定でもなく「社内に何台、どのOSのパソコンが残っているか」の棚卸しです。ここが固まらないと、ESUの必要数も買い替え台数も決まりません。
移行が終わるまでの間、残ったWindows 10端末は社内で最も狙われやすい場所になります。ネットワークからの分離とEDRの導入、そして夜間・休日を含む監視体制で穴を埋めてください。
費用面ではデジタル化・AI導入補助金2026を活用できる可能性があります。要件は年度ごとに変わるため、最新の公募要領をご確認のうえ、判断に迷う点は専門家にご相談ください。

▶ 関連記事:社内の古いPCがサイバー攻撃の入り口になる理由

▶ 関連記事:中堅・中小企業向けエンドポイント徹底比較|ESET PROTECT vs ウイルスバスター ビジネスセキュリティ vs Sophos Endpoint

▶ 関連記事:ランサムウェアとは?感染したら会社はどうなるか具体的に解説

Windows 11移行を相談する