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Windows Server 2016のサポート終了は2027年1月12日|法人のESU費用と「Azureなら無償」の誤解・SQL Server 2016との連鎖と移行までの守り方【中小企業向け】

Windows Server 2016のサポート終了と移行のイメージ

社内にファイルサーバーや業務システムのサーバーがある会社にとって、2027年1月12日は無視できない日付です。この日で Windows Server 2016 の延長サポートが終了し、セキュリティ更新プログラムの配布が止まります。

結論から言うと、中小企業が取るべき現実的な進め方は「まずサーバーを全数棚卸しし、2026年内に移行方式と予算を決める。どうしても間に合わないサーバーだけを、仮想パッチとネットワーク分離で暫定的に守る」です。ESU(延長セキュリティ更新)は最後の手段であって、第一候補にはなりません。

しかも今回は Windows Server 2016 だけの話ではありません。SQL Server 2016 はすでに2026年7月14日にサポートが終了しており、Exchange Server 2016/2019 も2025年10月14日に終了済みです。同じ1台のサーバーの上で、OS・データベース・メール基盤の期限が重なって切れていく、というのが実際に起きていることです。

この記事では、期限の全体像、ESUの費用と「Azureなら無償」という誤解、SQL Server 2016との連鎖、移行の選択肢と費用、そして移行が間に合わないサーバーをどう守るかまでを、中小企業の目線でまとめて解説します。

Windows Server 2016のサポートはいつ終わる?

Windows Server 2016 は、メインストリームサポートがすでに2022年1月11日に終了しており、現在は延長サポート期間中です。その延長サポートが 2027年1月12日 に終了します。

関連する製品の期限とあわせると、次のようになります。

製品 サポート終了日 2026年8月時点の状況
Windows Server 2016 2027年1月12日 あと約5か月。有償ESUを最大3年まで購入可能
SQL Server 2016 2026年7月14日 終了済み(更新は配布されていない)
Exchange Server 2016/2019 2025年10月14日 終了済み
Windows 10(一般法人向け) 2025年10月14日 終了済み。ESU1年目が2026年10月13日まで
Windows 10 Enterprise LTSB 2016 2026年10月13日 あと約2か月。ESU初年度は1台61米ドル
Office 2021 2026年10月13日 あと約2か月。ESUの仕組み自体がない

つまり、多くの中小企業では「クライアントPCの期限(2026年10月)」と「サーバーの期限(2027年1月)」が3か月違いで連続してやってきます。PC側の対応で手一杯になり、サーバーが後回しになるのが、いま最も起きやすい失敗です。

▶ 関連記事:Windows 10のESU(延長サポート)1年目が2026年10月13日に終了|法人向けの費用・「無料延長」の誤解とWindows 11移行

なぜ「サーバー」の期限はPCより深刻なのか?

PCは1台ずつ入れ替えられますが、サーバーはそうはいきません。理由は3つあります。

  • 止められない:ファイルサーバーや業務システムのサーバーが止まると、その瞬間に全社の業務が止まります。切り替えは営業時間外や連休に限られ、作業できる日が年に数回しかありません。
  • 1台に複数の役割が乗っている:ファイル共有・Active Directory(社内のIDとパスワードを管理する仕組み)・業務ソフト・データベースが1台に同居していることが多く、1つ動かすと全部に影響します。
  • 業務ソフト側の都合に縛られる:販売管理や会計のパッケージソフトが「Windows Server 2019まで対応」といった制約を持っていると、OSだけ新しくすることができません。ソフトのバージョンアップとセットになり、費用も期間も一気に膨らみます。

この3つがあるため、サーバーの移行は「決めてから終わるまで」に半年前後かかるのが普通です。2027年1月が期限なら、動き出す時期は2026年の夏から秋、つまり今この瞬間ということになります。

サポートが終わると、具体的に何が起きる?

「更新が止まるだけで、今日から動かなくなるわけではない」——それは事実です。ただし、動くことと安全に使えることは別の話です。

新しく見つかった穴が、永久にふさがらない

サポート終了後に Windows Server 2016 の脆弱性(プログラムの弱点)が見つかっても、修正プログラムは配布されません。攻撃者は「サポートが切れたOS」を狙い撃ちにします。修正されないことが分かっているため、一度成立した攻撃手法をいつまでも使い回せるからです。

とくにサーバーは、社内の共有フォルダと業務データが集まっている場所です。ランサムウェア(データを暗号化して身代金を要求する攻撃)に狙われた場合、PC1台の感染とは被害の桁が違います。

▶ 関連記事:ランサムウェアとは?感染したら会社はどうなるか具体的に解説

サイバー保険が使えなくなることがある

見落とされがちですが、実務上いちばん怖いのはここです。サイバー保険の約款には、「メーカーのサポートが終了したOSやソフトウェアを業務に使っていたことに起因する事故」を免責(=保険金を支払わない)とする条項が置かれていることがあります。

つまり、サポート切れのサーバーが原因で事故が起きた場合、「保険に入っているから大丈夫」が通用しなくなる可能性があります。対策費用を惜しんだ結果、被害額を全額自社で負担することになりかねません。実際の免責範囲は保険会社と約款によって異なるため、加入中のサイバー保険がある場合は、この機会に免責条項を確認しておくことを強くおすすめします。

▶ 関連記事:サイバー保険は本当に必要?補償範囲・保険料相場・選び方を徹底解説

取引先の監査やISMSで指摘される

大手企業との取引や、ISMS・Pマークの審査では、「サポート切れの機器・OSを業務に使っていないか」がほぼ必ず確認されます。サポート切れのサーバーが残っていると、是正を求められたり、取引条件の見直しにつながったりすることがあります。

▶ 関連記事:取引先から「セキュリティ対策の証明を求められた」ときの対応法

業務ソフトやクラウドサービス側が対応しなくなる

攻撃を受けなくても、じわじわ効いてくるのがこれです。業務ソフトの新しいバージョンが Windows Server 2016 に対応しなくなる、クラウドサービスとの連携が切られる、といった形で、「攻撃されていないのに使えない機能が増えていく」状態になります。

ESU(延長セキュリティ更新)は使える?

使えます。マイクロソフトは2026年2月に、Windows Server 2016 を含む3製品へのESU提供を発表しました。ESUは、サポート終了後も有償でセキュリティ更新だけを受け取れる仕組みです。

項目 内容
対象 Windows Server 2016(ほかに Windows 10 Enterprise LTSB 2016、Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSB)
提供される更新 「緊急」「重要」と評価されたセキュリティ更新のみ・月次
購入単位 1年単位。年度をまたいで飛ばして買うことはできない
最長期間 最大3年間(連続購入が条件)
購入方法 ボリュームライセンス、または CSP(マイクロソフトのクラウド販売パートナー)経由
価格 2026年8月時点で未公表(「数か月以内に発表予定」とされたまま)
位置づけ 移行が間に合わない場合の延命措置。恒久的な対策ではない

ESUに含まれないもの

ESUを買っても、次のものは提供されません。「サポートを延長した」つもりで契約すると期待とずれます。

  • 新機能の追加
  • セキュリティ以外の品質更新・不具合修正
  • Windows Server 2016 そのものの一般的な技術サポート(別途サポート契約が必要)
  • 「緊急」「重要」に満たないレベルの脆弱性の修正

ESUは「買いたくても買えない」ことがある

見落とされやすいのが、ESUには購入の前提条件が付くことがあるという点です。

ひとつ前の世代である Windows Server 2012 のESUでは、オンプレミスのサーバーで受け取る場合、Azure Arc(社内のサーバーをAzureの管理画面から一元管理できる仕組み)に登録してキーレスで配信を受けるか、MAKキー(複数台をまとめて認証するためのライセンスキー)を使って有効化する、という手順が必要でした。さらに Azure Arc 経由での提供には、ソフトウェアアシュアランス(SA)またはサーバーサブスクリプションの契約が前提とされていました。

SAを契約していない中小企業は少なくありません。Windows Server 2016 のESUについても同様の前提条件が付く場合、「お金を払う気はあるのに、そもそもESUを買える立場にない」という事態が起こり得ます。配信方式と前提条件は2026年8月時点で公表されていないため、ESUを当てにした計画を立てる前に、販売パートナーへ「自社の契約形態でESUを購入できるか」を必ず確認してください。ここを確認しないまま2027年1月を迎えるのが、最悪のパターンです。

ESUの費用はいくらかかる?

冒頭の表のとおり、Windows Server 2016 のESU価格は2026年8月時点でまだ公表されていません。同時に発表された Windows 10 Enterprise LTSB 2016 のESUは、初年度が1台あたり61米ドル(Intune/Autopatchで管理している端末は45米ドル)、以後は年ごとに倍増する設定です。

サーバー向けのESUは、過去の提供実績から「1年目はライセンス価格の約75%、2年目は約100%、3年目は約125%」という価格設計が使われてきました。この考え方をStandardエディション16コアに当てはめた場合の試算は、次のような水準になります。

年次 価格の考え方 サーバー1台あたりの目安(試算)
1年目(2027年1月〜) ライセンス価格の約75% 年 25万〜40万円
2年目(2028年1月〜) ライセンス価格の約100% 年 33万〜53万円
3年目(2029年1月〜) ライセンス価格の約125% 年 42万〜67万円
3年間の合計 —— 1台あたり 約100万〜160万円

※上記はあくまで過去の価格設計から逆算した試算であり、マイクロソフトが公表した Windows Server 2016 の正式価格ではありません。エディション・コア数・購入経路によって変動します。

「価格が未公表」であること自体が、判断材料になる

ESUの価格が公表されていないということは、来期の予算に正確な金額を載せられないということです。サポート終了まで残り5か月の時点でこの状態なので、「ESUを買って様子を見る」という選択は、経営判断としては成立しにくくなっています。先に移行方式と予算を決め、ESUは「どうしても間に合わない台数分だけを買う保険」として位置づけるのが現実的です。

「Azureに載せればESUは無償」は本当?

これは、Windows Server 2016 では通用しません。ここは多くの解説記事が古い情報のままになっている部分なので、注意が必要です。

Windows Server 2012 の時代は、Azure上で動かしていればESUが無償で提供されました。そのため「とりあえずAzureに持っていけばタダで延命できる」という理解が広まりました。ところが2026年3月27日、マイクロソフトは方針を変更し、2026年4月1日以降にリリースされる Windows および SQL Server のESUは、Azure上でもオンプレミスと同額の有償になると発表しました。

結果として、すでにAzure上で Windows Server 2016 を動かしている場合も、2027年1月12日までに「有償ESUを買う」「OSをアップグレードする」「PaaS/SaaSに作り替える」のいずれかを選ぶ必要があります。クラウドに載っているから安全、ということはありません。

SQL Server 2016やExchange Serverはどうなっている?

Windows Server 2016 の話だけで対応計画を立てると、足をすくわれます。同じ時期に、その上で動いているソフトの期限も切れているからです。

SQL Server 2016 は2026年7月14日に終了済み

SQL Server 2016 の延長サポートは、2026年7月14日にすでに終了しています。この記事の公開時点で、修正プログラムはもう配布されていません。

問題は、SQL Serverが単体で使われることは少ない、という点です。販売管理・会計・人事給与・生産管理といった業務パッケージは、同梱または前提のデータベースとして SQL Server の上で動いているものが多く、2016年〜2020年ごろに導入したパッケージであれば、2016世代のデータベースが現役で残っている可能性が高くなります。

そしてデータベースの更改は、入れ替えるだけでは終わりません。パッケージ側の対応バージョン確認 → アプリ改修 → データ移行 → 業務テストが連鎖するため、リードタイムは月単位になります。OSより先に、こちらの確認から始めたほうが安全です。

Exchange Server 2016/2019 は2025年10月14日に終了済み

社内にメールサーバーを立てている場合、Exchange Server 2016/2019 は2025年10月14日にすでにサポートが終了しています。メールサーバーは外部に公開されているため、放置すると社外から直接狙われる入口になります。該当する場合は、Windows Server 2016 よりも優先度が高い案件として扱ってください。

Microsoft 365(Exchange Online)への移行が一般的な選択肢ですが、その場合はメールの保護をクラウド側で作り直す必要があります。

▶ 関連記事:法人向けメールセキュリティの選び方|クラウド型・ゲートウェイ型・Microsoft 365標準の違いを比較

移行の選択肢はどれを選べばいい?

取れる道は大きく5つです。自社のサーバーの役割と、業務ソフトの制約で決まります。

選択肢 初期費用の目安 ランニング 次にサポートが切れる時期
Windows Server 2022へ更改 200万〜400万円(ハード込み・環境規模による) 2031年10月
Windows Server 2025へ更改 同程度〜やや高(無停止パッチに対応) 2034年10月
Azure仮想マシンへ移行 低〜中(ハード購入が不要) 月2.5万〜5万円 載せたOSの期限に従う
SaaS/PaaSへ作り替え 低〜中(業務の見直しが必要) 原則なし(提供元が更新)
ESUで延命 低(ただし価格未公表) 年25万〜40万円(試算) 最長2030年1月

中小企業でよくある落としどころは、「ファイルサーバーはクラウドストレージやSaaSに寄せて廃止し、どうしても社内に置く必要があるものだけを新しいサーバーに集約する」という組み合わせです。台数そのものを減らせるので、次の期限が来たときの負担も小さくなります。

なお Windows Server 2025 は、再起動せずに月次のセキュリティ更新を当てられる「Hotpatch」に対応しています。止められないサーバーが多い会社では、2022ではなく2025を選ぶ理由になります。

ESUで延命するのと入れ替えるのは、どちらが安い?

ここが経営判断の核心です。先ほどの試算を使って、「1台のサーバーを3年間どうするか」で比べてみます。

項目 ESUで3年延命 新しいサーバーへ更改 クラウド(Azure VM)へ移行
3年間の費用(1台あたり) 約100万〜160万円(試算) ライセンス約12万〜13万円/16コア+ハード・移行費 月2.5万〜5万円=3年で約90万〜180万円
3年後に手元に残るもの 何も残らない 新しいサーバー資産(2031年/2034年まで使える) いつでも最新OSに載せ替えられる環境
3年後の状態 2030年1月にまた同じ問題が起きる 次の期限まで5〜8年の猶予 ハードの寿命から解放される
セキュリティ 「緊急」「重要」の更新のみ 最新の防御機能が使える 最新の防御機能が使える
業務ソフトの対応 古いまま。新版が使えなくなっていく 最新版に追随できる 最新版に追随できる

ESUで3年フルに延命すると、サーバーを1台入れ替えるのと同じか、それ以上の金額になります。しかも決定的な違いは、ESUは払っても資産が何も残らないことです。同じ金額を移行に使えば、その先5〜8年はサポートが続きます。ESUは「移行が間に合わない台数分を、1年だけ買う」という使い方が正解です。

移行が間に合わないサーバーは、どう守ればいい?

サポート終了サーバーを仮想パッチとネットワーク分離で守り、新環境へ移行するイメージ

現実には、業務ソフトの都合でどうしても2027年1月に間に合わないサーバーが出ます。その場合は「祈る」のではなく、更新プログラムに頼らずに守る仕組みを入れます。選択肢は次の4つです。

打ち手 できること 限界
仮想パッチ(IPS/IDS) OSに修正プログラムを当てなくても、脆弱性を突く通信をサーバーの手前で止める。サポート切れOSを守る中心の打ち手 攻撃を止めるだけで、OSの穴自体はふさがらない
ネットワーク分離 該当サーバーを別のセグメントに隔離し、通信できる相手を必要最小限に絞る 業務上の通信は残るため、そこが経路になり得る
サーバー向けEDR+SOC監視 侵入されたあとの不審な動きを検知し、専門チームが対応する 侵入そのものは防げない。運用体制が必要
バックアップの強化 暗号化・破壊されても業務データを戻せる。世代管理と隔離保管が前提 情報を盗まれること自体は防げない
変更監視・ログ監視 重要ファイルや設定の書き換えを検知する 検知後に人が判断する必要がある

中心になるのは「仮想パッチ」

仮想パッチは、OS本体を修正せずに、脆弱性を狙う通信だけをネットワークの手前でブロックする仕組みです。たとえるなら、壁の穴をふさげないので、その手前に金網を張って通れなくするイメージです。

トレンドマイクロの Deep Security / Trend Vision One(Server & Workload Protection)は、この仮想パッチ機能が強い製品として、サポート切れOSが残る環境で長く使われてきました。サポート切れのサーバーを抱える会社にとって、移行までの数か月〜1年を安全に渡り切るための現実的な手段になります。

ただし仮想パッチはあくまで時間を買うための対策です。これを入れたことで移行を無期限に先送りしてよい、という意味ではありません。サイバー保険の免責や取引先監査の観点では、「サポート切れOSを使っている」という事実そのものが問題として扱われます。

▶ 関連記事:Trend Micro Deep Securityとは?ServerProtectとの違いと後継Trend Vision Oneへの移行

どのサーバーから手をつければいい?

全部を同時に動かすことはできません。「外から見えるもの」「止まると全社が止まるもの」から順に対応します。

  1. 外部に公開しているサーバー(Webサーバー、メールサーバー、VPN機器の内側にある公開系)——社外から直接攻撃されるため最優先。Exchange Server 2016/2019 はここに該当します。
  2. 認証基盤(Active Directory)——ここを取られると社内の全アカウントが乗っ取られます。
  3. ファイルサーバー——ランサムウェアの被害が最も大きく出る場所。
  4. SQL Serverが同居しているサーバー——SQL Server 2016 はすでにサポート終了済み。業務パッケージの対応確認に時間がかかるため、判断だけは早く。
  5. 業務アプリのバックエンド——ベンダーの対応バージョン確認が必要。
  6. 現場機器・計測機器につながっているサーバー——機器側が古いOSを要求することが多く、最後まで残りがち。ここが仮想パッチとネットワーク分離の出番になります。

サーバーを守る製品は何を選べばいい?

移行までのつなぎ、そして移行後の守りとして、サーバー向けのセキュリティ製品を用意します。中小企業で候補になりやすい4製品を、この記事の目的(サポート切れサーバーを守る)に沿って比較します。

項目 トレンドマイクロ
(Deep Security/Vision One)
ESET Server Security Sophos Endpoint
(サーバー向け)
SentinelOne
データお守り隊
提供形態 オンプレ/クラウド統合 オンプレ/クラウド管理 クラウド(Sophos Central) クラウド+SOC運用付き
対応OS Windows Server/Linux/仮想 Windows Server/Linux/仮想 Windows Server/Linux Windows/Linux/Mac
仮想パッチ(IPS) ◎ 最も強い ◎ エクスプロイト対策 △(EDRで侵入後を検知)
変更監視・ログ監視
EDR/XDR ◎ Vision Oneで統合 ○ 上位プランで対応 ◎ XDR・MDR対応 ◎ 標準搭載
24時間365日の監視 オプション オプション Sophos MDRで対応 ◎ 標準で付属
サイバー保険 最大50万円が付帯
費用の目安(税別) 台数・機能で変動(要見積り) 1台 年23,000円〜 台数課金(要見積り) 初期0円・1台 月1,000円〜
向いているケース サポート切れサーバーが残る環境 コストを抑えて基本を固めたい PCとサーバーを1画面で管理したい 情シスがいない・運用も任せたい
詳細 詳細を見る 詳細を見る 詳細を見る 詳細を見る

サポート切れのサーバーを抱えている状況なら、仮想パッチの強さで選ぶのが基本方針になります。一方、社内にIT担当者がいない、または1人しかいない場合は、検知したあとに動いてくれる人がいるかどうか(SOC付きかどうか)のほうが重要です。

なお、すでに Microsoft 365 Business Premium を契約している場合は、Microsoft Defender for Business のサーバー向け(サーバー1台 月約3ドル〜、60台以下が条件)を追加する方法もあります。ただし仮想パッチ相当の機能は持たないため、サポート切れOSの延命目的では力不足です。

▶ 関連記事:法人向けサーバーセキュリティソフトの選び方|Windows/Linuxサーバーを守る製品比較と費用相場

サーバーの棚卸しはどうやればいい?

対応計画をつくる前に、「社内にどのOSのサーバーが何台あるか」を正確に把握する必要があります。ここが曖昧なまま見積もりを取ると、あとから「聞いていないサーバーが出てきた」で計画が崩れます。

数台であれば手作業でも足りますが、拠点が複数ある会社や、担当者が交代してきた会社では、IT資産管理ツールで自動的に洗い出すのが確実です。

項目 LANSCOPE エンドポイントマネージャー ISM CloudOne
提供元 エムオーテックス クオリティソフト
提供形態 クラウド(SaaS) クラウド(SaaS)
OS・バージョンの自動取得 対応 対応
ソフトウェア資産・ライセンス管理 対応 対応
脆弱性・更新プログラムの把握 対応 自動脆弱性診断を搭載
初期費用(税別) 30,000円/契約 30,000円
月額の目安(税別・1台) ベーシック 500円〜(ライト 300円〜) 基本機能 360〜600円
無料体験 60日間 あり(要問い合わせ)
詳細 詳細を見る 詳細を見る

棚卸しでは、最低限この5項目を1台ずつ埋めていきます。

  • OSの種類とバージョン(Windows Server 2016 かどうか)
  • そのサーバーが担っている役割(ファイル共有/AD/業務アプリ/データベース など)
  • 上で動いている業務ソフトの名前とバージョン、対応OSの上限
  • ハードウェアの購入時期と保守契約の期限
  • 止められる時間帯(切り替え作業に使える窓)

▶ 関連記事:IT資産管理ツールの比較|法人向けおすすめ製品と費用相場・クラウド型の選び方

移行の前後で、バックアップはどうしておく?

サーバー移行は、作業中が最も危険な瞬間です。設定を戻せない、データが欠ける、切り戻せない——このどれが起きても業務が止まります。移行前のフルバックアップと、切り戻し手順の確認はセットで必須です。

あわせて、移行後の平常時のバックアップも見直しておきます。ランサムウェア対策としては、バックアップを本番サーバーと同じ場所に置かないことが重要です。同じネットワーク上のNASにだけ保存していると、本番と一緒に暗号化されます。

プラン 月額(税別) 年額(税別)
100GBプラン 3,000円 36,200円
500GBプラン 12,500円 142,500円
1,000GBプラン 20,000円 228,000円

※クラウドバックアップ powered by Acronis の料金です。Windows Server をはじめ20を超えるOSに対応し、契約容量の範囲内なら台数の制限なく利用できます。機能制限のない30日間の評価版があります。 詳細を見る

▶ 関連記事:バックアップの基本「3-2-1ルール」とは

費用は補助金で抑えられる?

サーバーの入れ替えやクラウド移行は、中小企業にとって数十万円〜数百万円の投資になります。デジタル化・AI導入補助金2026(旧・IT導入補助金)を使えるケースがあるため、見積もりと並行して確認する価値があります。

  • 補助額は最大450万円、補助率は原則2分の1(小規模事業者は要件を満たすと最大5分の4)
  • 交付申請までに SECURITY ACTION の自己宣言ID が必要
  • 申請には GビズID(プライムまたはメンバー)が必要
  • 登録された IT導入支援事業者 を通じて申請する

注意点が2つあります。1つ目は、サーバー本体などのハードウェアが補助対象になるかどうかは、申請する枠と年度によって扱いが変わることです。「必ず補助が出る」という前提で計画を組むのは危険なので、必ず最新の公募要領を確認してください。2つ目は締切から逆算する必要があることです。交付決定の前に発注してしまうと補助対象外になります。2027年1月の期限に間に合わせるには、申請と発注の順番を先に設計しておく必要があります。

▶ 関連記事:セキュリティ対策の費用は補助金で抑えられる?デジタル化・AI導入補助金2026の対象・補助率・申請の流れ

▶ 関連記事:SECURITY ACTION(セキュリティ対策自己宣言)とは?一つ星・二つ星の違いと宣言のやり方

いつまでに、何をすればいい?

2027年1月12日から逆算すると、余裕はほとんどありません。目安は次のとおりです。

時期 やること 遅れるとどうなる
2026年8〜9月 サーバーの全数棚卸し。OS・役割・業務ソフト・保守期限を1台ずつ確認 見積もりが取れず、予算化に進めない
2026年9〜10月 移行方式の決定と予算化。補助金を使うなら申請スケジュールを逆算 次年度予算に載せられず、実行が1年ずれる
2026年10〜11月 業務ソフトベンダーへの対応バージョン確認と互換性の検証 直前に「そのOSでは動かない」が判明する
2026年11〜12月 テスト環境での移行リハーサルと、切り戻し手順の確認 ぶっつけ本番になり、業務停止のリスクが上がる
2026年12月〜2027年1月 本番移行(年末年始の停止できる時間帯を使う) 期限を超過し、無防備な状態で稼働することになる
間に合わない分 ESUの購入、または仮想パッチ+ネットワーク分離で暫定防御 更新も防御もない状態で放置される

とくに業務ソフトベンダーへの確認は、想像以上に時間がかかります。同じ時期に全国の顧客から同じ問い合わせが集中するためです。「まだ先の話」と思っている間に、ベンダー側の対応枠が埋まっていきます。まずは1本電話を入れるところから始めてください。

▶ 関連記事:Windows Updateを放置していませんか?パッチ管理の重要性

▶ 関連記事:社内の古いPCがサイバー攻撃の入り口になる理由

よくある質問

Q. 2027年1月13日になったら、サーバーは動かなくなりますか?

A. いいえ、動かなくなることはありません。止まるのは「セキュリティ更新プログラムの配布」です。ただし、その日以降に見つかった脆弱性は永久に修正されないため、時間が経つほど危険度が上がっていきます。「動いているから大丈夫」と「安全に使える」は別の話だとお考えください。

Q. サーバーが1台だけでもESUは買えますか?

A. 買えます。ただし価格は2026年8月時点で未公表です。また、1年目を買わずに2年目から買うことはできません(連続購入が条件)。1台だけであれば、ESUの費用と新しいサーバーへの入れ替え費用を比べると、入れ替えたほうが結果的に安くなるケースが多くなります。

Q. ESUは、買おうと思えばすぐ買えますか?

A. すぐに買えるとは限りません。前の世代(Windows Server 2012)のESUでは、Azure Arcへの登録や、ソフトウェアアシュアランス(SA)などの契約が前提とされていました。Windows Server 2016 のESUについても配信方式と前提条件はまだ公表されていないため、自社の契約形態でそもそも購入できるのかを、先に販売パートナーへ確認しておくことが重要です。

Q. Azureに移せばESUは無償になりませんか?

A. Windows Server 2016 ではなりません。2026年3月27日の方針変更により、2026年4月1日以降にリリースされるESUは、Azure上でもオンプレミスと同額の有償になりました。Windows Server 2012 のときの「Azureなら無償」という情報が今も残っていますが、今回は当てはまりません。

Q. 業務ソフトが新しいOSに対応していない場合はどうすればいいですか?

A. まずベンダーに「対応版の提供予定」と「対応版の費用」を確認してください。対応版が出ない場合は、別の製品への乗り換えか、当該サーバーだけを仮想パッチとネットワーク分離で守りながら段階的に移行する、という進め方になります。いずれにしても判断に時間がかかるため、確認だけは今すぐ動くことをおすすめします。

Q. SQL Server 2016はすでに終了していますが、今から何をすべきですか?

A. 該当するサーバーを特定し、その上で動いている業務パッケージのベンダーに「対応しているSQL Serverのバージョン」を確認するのが最初の一歩です。すでに無防備な状態なので、移行が決まるまでの間は、そのサーバーへの通信を必要最小限に絞る(ネットワーク分離)ことを先に実施してください。

Q. IT担当者がいない会社でも移行できますか?

A. 棚卸しと業務ソフトの確認までは社内で進め、設計と移行作業は外部に任せる形が現実的です。移行後の監視についても、SOC付きのサービスを選べば「入れたあとの運用」を社内で抱えずに済みます。アーデントでは、棚卸しから移行方式の選定、補助金の活用、移行後のセキュリティ運用までをまとめてご相談いただけます。

Q. サポート切れのサーバーがあると、サイバー保険はどうなりますか?

A. 保険会社と約款によりますが、「メーカーサポートが終了したOSの業務利用に起因する事故」を免責とする条項が置かれていることがあります。この場合、事故が起きても保険金が支払われない可能性があります。加入中の保険がある場合は、更新のタイミングで免責条項を確認しておいてください。

まとめ

Windows Server 2016 の延長サポートは 2027年1月12日 に終了します。
あわせて SQL Server 2016 は2026年7月14日、Exchange Server 2016/2019 は2025年10月14日にすでにサポートが終了しており、1台のサーバーの上で複数の期限が重なって切れていく状況です。
ESU(延長セキュリティ更新)は最大3年まで購入できますが、価格は2026年8月時点でまだ公表されていません
過去の価格設計から試算すると3年間で1台あたり約100万〜160万円となり、サーバーを1台入れ替えるのと同等かそれ以上の金額になります。しかもESUには資産が何も残りません。
また、Windows Server 2012 の時代に成立していた「Azureに載せればESUは無償」は、2026年3月27日の方針変更によりWindows Server 2016 では通用しなくなりました
いま取るべき順番は、①サーバーの全数棚卸し、②移行方式の決定と予算化、③業務ソフトベンダーへの対応確認、④テストと本番移行、です。
どうしても間に合わないサーバーだけを、仮想パッチ(IPS)とネットワーク分離で暫定的に守り、そのうえで移行を完了させる——これが現実的な着地点になります。
費用面では、デジタル化・AI導入補助金2026を活用できる場合があります。ただし交付決定の前に発注すると対象外になるため、2027年1月の期限に間に合わせるには、申請と発注の順番を先に設計しておく必要があります。

アーデントでは、サーバーの棚卸しから移行方式の選定、移行までのつなぎとなるセキュリティ対策、補助金の活用、移行後の運用までをまとめてご支援しています。「うちのサーバーは何台が該当するのか分からない」という段階からで構いませんので、お気軽にご相談ください。

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