Veeam Data Cloud for Microsoft 365の価格はいくら?ユーザー数別の費用試算とFlex・Premiumの違い、AvePoint・SysCloud・Microsoft純正との比較【中小企業向け】

Microsoft 365のメールやファイル、Teamsのやり取りを、Microsoftとは別の場所に残しておくサービスとして名前が挙がるのがVeeam Data Cloud for Microsoft 365です。
ところが公式サイトには日本円の価格がほとんど載っておらず、「結局いくらかかるのか」が分かりにくいという相談を多くいただきます。
この記事の結論
- 当社の取扱価格は1ユーザー年9,822円〜10,913円(Flex・税別):月に直すと約820〜910円です。容量と保存期間は無制限で、最小10ユーザーから契約できます。
- 30ユーザーなら年327,390円:AvePoint(3年保持)は年115,200円、SysCloudは年176,700円で、人数だけで比べるとVeeamが最も高くなります。
- ただし「データが多い会社」では逆転します:SysCloudは1ライセンス75GBまでなので、10人で合計1.5TBあると20ライセンスが必要になり、Veeamのほうが安くなります。
- 上位のPremiumは年21,587円(51〜250ユーザー):高速に大量復元する仕組みとEntra ID(Microsoft 365のアカウント情報)のバックアップまで含みます。
- 人数が少なくデータも少ないならAvePointかSysCloud、Teamsの記録とデータ量が多いならVeeamが目安です。
この記事では、当社が実際に取り扱っている料金をもとに、ユーザー数別・データ量別の費用、プランの違い、ほかの製品やMicrosoft純正のバックアップとの違いまでを、IT担当者が少ない中小企業の方向けに整理します。
Veeam Data Cloud for Microsoft 365とは?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | Veeam(バックアップ製品の大手。調査会社IDCの2023年下半期のデータ保護市場で世界シェア1位と同社発表) |
| 提供形態 | クラウドサービス(サーバーを用意する必要はありません) |
| 守る対象 | Exchange Online(メール・予定表)、SharePoint Online、OneDrive for Business、Microsoft Teams |
| 課金の単位 | 保護するユーザー数(容量・保存期間は無制限) |
| 保管場所 | Microsoft 365とは分けた保管場所。日本を含むリージョンを選べます |
| 改ざん対策 | 一度保存したデータを、利用者・管理者・攻撃者が書き換えたり消したりできない仕組み(イミュータブル) |
| 始めるまで | Microsoft 365と接続するだけで、セットアップは約15分 |
| 最小契約 | 10ユーザー〜 |
ポイントは「Microsoft 365の中ではなく、別の場所に、書き換えられない形で残す」ことです。
ランサムウェアや誤操作でMicrosoft 365側のデータが壊れても、バックアップ側には影響が及びません。
「Veeam Backup for Microsoft 365」とは別物?
Veeamには、名前のよく似た「Veeam Backup for Microsoft 365」という製品もあります。
こちらは自社でサーバーと保存先を用意して動かすソフトウェアで、Veeam Data Cloudはその仕組みをVeeamがクラウドで運用してくれるサービスです。
| 項目 | Veeam Backup for Microsoft 365 | Veeam Data Cloud for Microsoft 365 |
|---|---|---|
| 形態 | 自社で動かすソフトウェア | クラウドサービス |
| サーバー・保存先 | 自社で用意する | 不要(料金に含まれる) |
| 保存容量の費用 | 保存先のストレージ代が別にかかる | 無制限で料金に含まれる |
| 運用・更新 | 自社で行う | Veeamが行う |
| 向いている会社 | 専任のIT担当者がいる会社 | IT担当者が少ない中小企業 |
「Veeam バックアップ 価格」で調べると両方の情報が混ざって出てきます。
ソフトウェア版はライセンス代が安く見えても、サーバー・ストレージ・運用の手間を足すと総額が変わるため、比べるときは同じ条件にそろえてください。
そもそも、Microsoft 365にバックアップは必要?
Microsoft 365は「サービスが止まらないこと」は保証していますが、利用者のデータを長期間守ることは利用者側の責任とされています(責任共有モデル)。
削除したメールやファイルはごみ箱に残りますが、保存される期間は30〜93日程度で、それを過ぎると元に戻せません。
| よくある事故 | Microsoft 365の標準機能だけだと |
|---|---|
| 半年前に消したファイルが必要になった | ごみ箱の保存期間を過ぎていると戻せない |
| ランサムウェアでOneDriveのファイルが暗号化された | 暗号化された状態が同期され、正常なファイルが残らないことがある |
| 退職者のアカウントを削除した後で、メールが必要になった | アカウント削除後の一定期間を過ぎると戻せない |
| 管理者アカウントが乗っ取られ、データを消された | 攻撃者がごみ箱まで空にすると戻せない |
▶ 関連記事:クラウドサービスは安全?Microsoft 365・Google Workspaceのセキュリティ設定チェックリスト
プランは何が違う?Flex・Express・Premium

Veeam Data Cloud for Microsoft 365には3つのプランがあります。
以前は「Foundation」と呼ばれていたプランが、現在は「Flex」という名前になっています。見積書で旧名称を見かけても同じものです。
| 項目 | Flex(旧Foundation) | Express | Premium |
|---|---|---|---|
| 考え方 | 保存期間や復元の細かさを自由に決める | 大量のデータを速く戻す | FlexとExpressの両方 |
| Teamsのバックアップ | 〇 | × | 〇 |
| 保管場所を選べる | 〇 | × | 〇 |
| データを持ち出せる(解約時) | 〇 | × | 〇 |
| 細かい検索と復元 | 〇 | △ | 〇 |
| 大量データの高速な復元 | × | 〇 | 〇 |
| Entra IDのバックアップ | 追加費用で付けられる | × | 〇 |
| 当社の取扱価格(1ユーザー・年) | 9,822〜10,913円 | —(単独では取り扱いなし) | 21,587円(51〜250ユーザー) |
中小企業の多くはFlexで十分です。
Expressは、Microsoft純正のバックアップ保管場所(Microsoft 365 Backup Storage)を使って大量のデータを一気に戻すための仕組みで、単独では細かい復元やTeamsに対応しません。そのため当社ではFlexか、両方を含むPremiumをご提案しています。
役員や経理など重要なデータを持つ人だけPremium、ほかの社員はFlex、という組み合わせも可能です。全員を上位プランにそろえる必要はありません。
価格はいくら?当社の取扱価格
| プラン | 50ユーザー以下 | 51〜250ユーザー | 251ユーザー以上 |
|---|---|---|---|
| Flex(旧Foundation) | 年10,913円(月換算 約909円) | 年9,822円(月換算 約819円) | お見積り |
| Premium | お見積り | 年21,587円(月換算 約1,799円) | お見積り |
| 詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
いずれも税別・1ユーザーあたりの年額で、最小10ユーザーからの契約です。
容量と保存期間は無制限のため、データが増えても料金は変わりません。「予想外の容量追加料金が来ない」ことが、ほかのバックアップとの大きな違いです。
海外の価格情報サイトでは「1ユーザー月2〜5米ドル前後から」と紹介されていますが、為替や契約単位、販売店によって変わるため、日本での購入価格とは一致しません。
実際の金額は、ユーザー数と契約年数を伝えて見積りを取るのが確実です。
ユーザー数別に計算すると、いくらかかる?
当社で取り扱っているMicrosoft 365向けバックアップ3製品の年額を、ユーザー数別に並べました(税別・値引き前)。
| ユーザー数 | Veeam Flex | Veeam Premium | AvePoint(3年保持) | AvePoint(無制限保持) | SysCloud |
|---|---|---|---|---|---|
| 10人 | 109,130円 | お見積り | 38,400円 | 76,800円 | 58,900円 |
| 30人 | 327,390円 | お見積り | 115,200円 | 230,400円 | 176,700円 |
| 50人 | 545,650円 | お見積り | 192,000円 | 384,000円 | 294,500円 |
| 100人 | 982,200円 | 2,158,700円 | 384,000円 | 768,000円 | 589,000円 |
| 200人 | 1,964,400円 | 4,317,400円 | 768,000円 | 1,536,000円 | 1,178,000円 |
| 詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
人数だけで比べると、Veeamはほかの2製品の1.7〜2.8倍になります。
それでもVeeamが選ばれるのは、次に説明する「データ量」と「Teams・改ざん対策・保管場所」の違いがあるからです。
▶ 関連記事:Microsoft 365バックアップ製品 徹底比較|SysCloud vs Veeam Data Cloud vs AvePoint Cloud Backup
データが多い会社では、どれが安くなる?
ここが価格表だけでは見えない落とし穴です。
SysCloudはユーザー課金でも1ライセンスあたり75GBまでの保護で、データが多いとライセンスを追加する必要があります(100ユーザー以上は容量無制限)。一方、VeeamとAvePointは容量無制限です。
| 条件 | Veeam Flex | SysCloud | AvePoint(無制限保持) |
|---|---|---|---|
| 10人・合計500GB | 109,130円 | 58,900円(10ライセンス) | 76,800円 |
| 10人・合計1.5TB | 109,130円 | 117,800円(20ライセンス) | 76,800円 |
| 30人・合計3.6TB | 327,390円 | 282,720円(48ライセンス) | 230,400円 |
| 30人・合計5TB | 327,390円 | 394,630円(67ライセンス) | 230,400円 |
図面や動画、長年のメールを抱える会社では、少人数でも1人あたりのデータが100GBを超えることは珍しくありません。
見積りの前に、Microsoft 365管理センターの「使用状況」で、OneDriveとメールボックスの合計容量を確認しておくと、正しい比較ができます。
容量に上限がある製品では、データが増えるたびにライセンスを足す必要があります。3年後のデータ量も想像して比べてください。
「どれが安いか」は条件で入れ替わる
- 人数もデータも少なく、3年分残せばよい:AvePoint(3年保持)が最も安く、30人で年115,200円です。
- 人数が少なく、ずっと残したい:SysCloudが安く、30人で年176,700円です。ただしデータが1人75GBを超えると差が縮まります。
- データが多い、またはTeamsの記録まで確実に残したい:容量無制限で保管場所も選べるVeeamが候補になります。
- ランサムウェアの被害から全社のデータを短時間で戻したい:Veeam Premiumのように高速な一括復元の仕組みを持つプランが向いています。
他社の製品も含めて横並びで比較して選びたい方は、法人向けセキュリティソフト7社一括比較もあわせてご覧ください。
Microsoft純正の「Microsoft 365 Backup」とは何が違う?
Microsoft自身も、Microsoft 365 Backupという有料のバックアップを提供しています。
料金はユーザー数ではなく、保護するデータ量に応じた従量課金で、目安は1GBあたり月約0.15米ドルです。
| 項目 | Veeam Flex | Microsoft 365 Backup(純正) |
|---|---|---|
| 料金の決まり方 | ユーザー数(容量無制限) | データ量の従量課金 |
| 10人・合計1.5TBの年額目安 | 109,130円 | 約405,000円(1ドル150円で計算) |
| 保管場所 | Microsoft 365とは分けた場所 | Microsoft 365の中(同じ事業者) |
| Teamsのバックアップ | 〇 | 対象外(メール・SharePoint・OneDriveが中心) |
| 保存期間 | 自由に設定(無制限) | Microsoftの設定の範囲内 |
純正は「Microsoft 365の中ですぐ戻せる」ことが強みですが、データがMicrosoftの外に出ないため、3-2-1ルール(3つのコピーを2種類の場所に、うち1つは離れた場所に置く)の「離れた場所」にはなりません。
なお、Veeamの上位プランは、この純正の保管場所を高速な復元に活用しつつ、別の場所にもコピーを持つ設計です。
▶ 関連記事:バックアップの基本「3-2-1ルール」とは
契約前に確認しておきたい3つのこと
① 何人分のライセンスが必要か
ライセンスは「保護するユーザー数」で決まります。
共有メールボックス、退職者のアカウント、外部ゲストの扱いは契約条件によって数え方が変わることがあるため、見積りのときに一覧を出して確認するのが安全です。
② 退職者のデータをどう残すか
退職者のアカウントを削除するとMicrosoft 365のライセンス費用は減りますが、メールやファイルも一定期間後に消えます。
バックアップで残しておけば、アカウントを削除しても後から内容を確認できます。
▶ 関連記事:退職者のアカウント、ちゃんと削除していますか?情報漏洩リスクを解説
③ 解約したときにデータを持ち出せるか
FlexとPremiumはデータの持ち出し(エクスポート)に対応しています。
長く使うほどバックアップは会社の大事な資産になるため、「やめるときにどうなるか」は最初に確認しておきましょう。
Veeamのメリットと注意点は?
| メリット | 注意点 |
|---|---|
| 容量・保存期間が無制限で、データが増えても料金が変わらない | 人数だけで比べると、ほかの製品より割高 |
| Teamsのチャットやチャネルの投稿まで残せる | Google Workspaceには対応していない(Microsoft 365専用) |
| 書き換えられない保管とリージョン選択で、ランサムウェアや監査に強い | 最小10ユーザーから。10人未満の会社は割高になる |
| 50種類以上の条件で探せ、社員が自分で復元することもできる | Premiumは50ユーザー以下だと個別見積りになる |
Google Workspaceも使っている会社は、両方に対応するAvePointやSysCloudのほうが管理を1つにまとめられます。
Salesforce、Box、Slackまで守りたい場合はSysCloudが選択肢になります。
補助金で費用を抑えられる?
Veeam Data Cloud for Microsoft 365、AvePoint、SysCloudは、デジタル化・AI導入補助金の対象となるITツールとして当社から導入を支援できます。
補助率は原則1/2(小規模事業者は条件を満たすと最大4/5)で、クラウドサービスの利用料は最大2年分が対象になる枠もあります。
また申請には、SECURITY ACTION(セキュリティ対策自己宣言)とGビズIDが必要です。要件は年度や公募回で変わるため、最新の公募要領の確認が必要です。
▶ 関連記事:セキュリティ対策の費用は補助金で抑えられる?デジタル化・AI導入補助金2026の対象・補助率・申請の流れ
導入までの進め方は?
- 守るユーザーを数える:社員、共有メールボックス、退職者アカウントを一覧にします。
- データ量を確認する:Microsoft 365管理センターの使用状況で、OneDriveとメールボックスの合計を見ます。
- 残したい期間を決める:3年でよいか、ずっと残すかで、選べる製品と金額が変わります。
- Teamsの記録を残すか決める:取引先とのやり取りをTeamsで行っているなら、Teams対応は必須です。
- 同じ条件で見積りを比べる:人数・データ量・保存期間をそろえて、2〜3製品の見積りを取ります。
- 補助金の公募日程を確認する:申請に間に合う場合は、交付決定後に発注します。
- 一度、実際に戻してみる:導入したら1ファイルとメール1通を復元し、戻せることを確かめます。
1〜5は費用がかからない作業です。
とくに7番目の「実際に戻してみる」は、バックアップを入れた会社でも意外とやっていない作業で、いざというときに戻せないことに初めて気づく原因になります。
▶ 関連記事:クラウドバックアップの費用・料金相場はいくら?
よくある質問
Q. 10人未満の会社でも契約できますか?
A. Veeamは最小10ユーザーからの契約です。
9人以下の会社は10ユーザー分の料金になるため、1ユーザーから契約できるSysCloudのほうが割安になることが多いです。
Q. Microsoft 365のごみ箱があればバックアップは不要では?
A. ごみ箱の保存期間は30〜93日程度で、それを過ぎると戻せません。
またランサムウェアで暗号化された状態が同期されたり、管理者アカウントを乗っ取られてごみ箱ごと消されたりすると、標準機能だけでは戻せません。
Q. FlexとPremiumはどちらを選べばよいですか?
A. 中小企業の多くはFlexで十分です。
全社のデータを短時間で一気に戻す必要がある会社や、Entra ID(アカウント情報)まで守りたい会社はPremiumを検討してください。社員ごとに使い分けることもできます。
Q. Google Workspaceも使っています。Veeamで守れますか?
A. VeeamはMicrosoft 365専用です。
Google Workspaceも守りたい場合は、両方に対応するAvePointやSysCloudを検討してください。
Q. ランサムウェア対策としてはバックアップだけで足りますか?
A. バックアップは「戻すための備え」で、侵入そのものは防げません。
パソコンを守るEDRやメールのセキュリティと組み合わせることで、被害を防ぎつつ、万一のときに戻せる状態になります。
Q. 見積りは無料ですか?
A. はい。ユーザー数、データ量、残したい期間を教えていただければ、Veeam・AvePoint・SysCloudを同じ条件でお見積りします。
▶ 関連記事:ランサムウェア対策 完全ガイド|エンドポイント防御×SaaSデータ保護
まとめ
Veeam Data Cloud for Microsoft 365の当社取扱価格は、Flexで1ユーザー年9,822〜10,913円、Premiumで年21,587円(51〜250ユーザー)です。
人数だけで比べるとAvePointやSysCloudより高くなりますが、容量と保存期間が無制限で、Teamsの記録まで書き換えられない形で残せるため、データが多い会社では逆に安くなることがあります。
まずはユーザー数とデータ量、残したい期間を書き出し、同じ条件で見積りを比べてみてください。
この記事の対策に使える当社取扱製品
| Veeam Data Cloud for Microsoft 365(料金・機能) | AvePoint Cloud Backup(料金・機能) |
| SysCloud(料金・機能) | クラウドバックアップ powered by Acronis(料金・機能) |

株式会社アーデント 代表取締役。2006年にオフィス専門不動産会社アーデントを創業。その後、オフィス賃貸仲介、ワークプレイス作りに10年以上携わり、合計500社以上のオフィス移転をサポート。2018年よりクラウドPBXを中心にネットワーク、通信分野を専門に400社以上の電話、ネット環境づくりをサポート。2022年より100以上のクラウドサービスの販売を開始。
デジタル化・AI導入補助金を使って、150社以上にクラウドツールを提供。IT活用による業務改善のDXコンサルを提供。ノーコードツールを使ったExcelやAccessからの基幹システム移行によるDX実績多数。サイバーセキュリティ対策の導入も50社以上を担当実績あり。
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